家が売れなくてイライラ…!ストレスをためる前に売れない理由を考えよう!

住み替えを目的などに、持ち家を売りに出してみたものの、1年たっても買い手がつかない…など、なかなか売れなくて悩んでいるという方もいることでしょう。特に、持ち家の売却収入を次の家の購入資金などに当てたいと考えている場合、そのまま家が売却できなければ本当に困ってしまいますし、イライラしてストレスが溜まってしまうものです。

しかし覚えておきたいことは、仲介による家の売却では、「なかなか買い手がつかない…」といった状況は特に珍しい事ではなく、家の売却までにかなりの期間を要してしまうということも意外に多いのです。特に、家が売れないことにストレスをためても買い手が付くわけではありませんし、「なんで買い手がつかないのか?」という原因を無視して待っていても無駄に時間が過ぎて家の価値が下落してしまうだけです。
そこでこの記事では、持ち家を売りに出したのに買い手がつかない…といった方のため、家が売れない理由と対処法をご紹介します。

一般的な売却期間を知っておこう

持ち家の売却を考えた場合、「大切に住んでいたし、すぐに買い手が見つかる!」と考えてしまう方がいますが、仲介による家の売却はそこまで単純ではありません。「すぐに売れる!」なんて考えてしまっていると、なかなか売れない時には無駄にストレスをためてしまう結果になりますので、一般的な家の売却期間を頭に入れておきましょう。

家の売却は3~6カ月かかるのが普通

持ち家などの不動産売却を不動産会社に依頼する場合、媒介契約を締結することになります。媒介契約にも、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約といくつかの種類が存在していますので、どれが一番自分に適しているのかをきちんと考えて締結しましょう。
例えば、一般媒介契約については、所有者自らが買い手を探すこともできますし、複数の不動産会社に重ねて売却を依頼することも可能です。自由度が高い媒介契約となりますので、契約期間などの制限がないのも特徴です。その一方、専任媒介契約や専属専任媒介契約というものは、一つの不動産会社に売却を依頼する契約で他の不動産会社に重ねて依頼することはできません。そのため、この契約の場合は、3ヶ月以内と契約期間が法律で制限されており、契約期間中に売却できなかった場合、同じ不動産会社と継続して契約するか、他の不動産会社に依頼しなおすことになります。

この媒介契約期間の制限から考えればわかるのですが、一般的に家の売却にかかる期間の目安は3カ月程度といわれています。最初の不動産会社で売却できなかった場合を考慮しても、6カ月以内と言うのが一般的な売却期間と考えられています。そして、これ以上の期間がかかっているという場合は、「買い手がなかなかつかず、売却に苦戦している…」という状況だと考えられます。

家の売却に時間がかかることは珍しくない

家の売却に時間を要してしまうのは、売却困難な立地条件や地形になっている、単純に価格が高いなど、売却を考えている不動産に問題があると考える方が多いです。しかし、売買は、買う人がいてこそのものですので、外的要因によって買い手がつかない状況になっている場合も多いのです。例えば、今回の新型コロナウイルス問題のように、消費者心理が冷え込んでしまっている…なんて場合もありますし、空き家増加による物件自体の増加や、ネットを利用すれば簡単に複数物件の比較ができるようになっていますので、競合物件が増えてしまっているなど、さまざまな外的要因が考えられるのです。

つまり、現在では、仲介による不動産の売却自体の難易度が高くなっている状況で、「なかなか買い手がつかない…」という状況は別に珍しくないのです。しかし注意が必要なのは、売却に時間を要しているのにもかかわらず、何の対処もせず、ただ売れるのを待っているだけ…という対応はオススメできません。このような場合、家の購入を検討している人からすれば、「何カ月も売れない不人気な物件なんだ…」といったネガティブな印象を与えてしまう恐れがありますし、さらにどんどん追加される新しい売り物件情報に、自分の物件情報が埋もれてしまうなんて可能性があります。

売却に時間を要してしまった場合、「なぜ買い手がつかないのか?」という原因をよく考え、物件の強みなどをもう一度考え直し、情報の見せ方を変えるなどの対策をしてみましょう。

家が売れない原因と対処法について

家の売却に時間を要してしまう場合でも、さまざまな原因が考えられます。そして、家を売却するために何らかの対処をしようと思う場合、自分の家の状況をしっかりとつかんで、適切な対処をしてあげなければ意味がないのです。例えば、「物件に対する問い合わせすらない…」場合と、「内見までは行くけど、成約しない…」場合では、必要な対処が変わってしまいますよね。以下で、それぞれの状況について、原因とその対処法をご紹介します。

「物件に対する問い合わせすらない…」場合

家を売りに出しているのに「問い合わせが無い…」なんて状況であれば、売り出し物件について購入検討者が何も魅力に感じていない…ということが考えられます。他には、売り出し物件情報の認知度が低い…なんてことも考えられますので、以下のような対策を考えてみましょう。

■競合物件の情報取集を行い、強みの再確認をする
あなたの家の強みとして出している情報が、競合物件に負けていないか確認する必要があるでしょう。競合物件の情報収集をきちんと行い、価格が適正なのか、売り出し物件の優位点がアピールできているか確認して、直す必要があれば、修正しましょう。
■広告戦略の見直
問い合わせが無いという場合、ターゲット層に物件情報がきちんと届いていない…ということも考えられます。したがって、あなたの物件の強みを魅力と感じてくれるターゲット層をきちんと想定し、そこに訴求できるような広告をきちんと行ってもらえるようにお願いしましょう。また、多くの方の目に触れるように、不動産ポータルサイトなどへの掲載も検討しましょう。別途広告出稿費が必要になる場合もありますので、不動産会社に相談してみてください。
■不動産会社の見直し
最終手段は、不動産会社の見直しです。あなたの物件の販売活動を行う担当者さんも、複数の売り物件を同時に抱えているのが普通です。そして、不動産会社の担当者は「売りやすい」と判断するものから販売活動に力を入れるわけです。したがって、「本気で売る気があるのかな?」なんて感じる不動産会社の場合、熱心に販売活動を行ってくれる会社に依頼しなおすのも手です。

家を売りに出しているのに、問い合わせすらない…なんて場合、広告戦略が間違っているか不動産会社がそこまで積極的に販売活動をしていないなどといった事が考えられます。もちろん、しっかりと強みを訴求していたとしても、競合物件に価格で負けている…なんて場合、売却希望額を下げる必要があるでしょう。「売却に時間がかかっているな…」と感じる場合は、上記のような点を確認してみましょう。

「内見までは行くけど、成約しない…」場合

内見まではスムーズにいくのに、成約まで行かない…なんてことも多いです。これは、購入検討者の売り出し物件に対する期待と現状にギャップが生じてしまっているのが大きな原因です。この場合は、以下のような対処法が考えられます。

■内見対応の見直し
家の売却は、住みながら買い手を探すといったケースも多いです。このような場合、生活感があり過ぎる室内を見てガッカリする…なんてことも考えられます。特に、キレイに掃除していたとしても、どうしても人が住んでいると生じてしまう生活臭などで好感を持ってもらえない…なんてことも考えられるのです。したがって、住みながら売却を考える場合、引っ越し準備と捉えて、不要なものはできるだけ処分してしまい、すっきりとして見える室内を作る事がオススメです。余裕があれば、賃貸住宅などに仮住まいし、専門業者によるホームクリーニングをしてから内見対応を行うなどがオススメです。業者の中には、汚れだけでなく、家のニオイまで無くしてくれるような会社があります。
他にも、モデルルームなどのように、ホームステージングをするという手もあります。これは、家具や小物をレンタルし、購入希望者に好印象を与えるような部屋を作るという方法です。売却のためのコストと割り切って、計画的に予算を組むのも早く売るためのコツです。
■あまりに古い家なら解体する
戸建て住宅の場合、築年数が経過するほど家の価値が下落してしまい、築20年を過ぎてしまうと、家の価値がほぼなくなると言われています。そして、築30年を過ぎてくると、古家が建っていることがデメリットとなり、買い手がつかない…なんてことも考えられるのです。
古い家を売却する場合、あらかじめホームインスペクション(住宅の設計・施工にくわしい建築士などの専門家が、物件の調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に検査すること)を行っておきましょう。そして、インスペクションの結果に基づいて補修を行いその情報を開示することで購入希望者は安心できます。なお、築30年近くたっているのであれば、家を解体して更地にしたほうが早く売れるかもしれません。

どうしても売れない場合は『買取』業者に依頼しよう

家の売却は、売りに出せばすぐに買い手が付く…と考えている方も多いのですが、正直そんなに単純なものではなく、売りに出して1年たっても買い手が全く見つからない…なんてことも珍しくないのです。現在の日本は、年々増加する空き家が社会問題にもなっており、中古住宅は供給過多のような状況なのです。

したがって、この記事でご紹介したような対策を行ったものの、それでも買い手がつかない…という場合には、不動産会社に直接売却する『買取』という手法を検討してみるのがオススメです。不動産会社による買取りサービスであれば、そこにそのまま住むことを考えて不動産を買うのではなく、リフォームや建て替えをしてより高く転売することが目的になります。そのため、今の家の状態や強みなどは関係なく、素早く家の現金化が完了するのです。なお、不動産会社は、買い取った物件をリフォームや建て替えをして販売することになりますので、あらかじめその費用を差し引いた価格で査定を行います。つまり、一般の市場相場よりは3割程度安い提示額になる可能性が高いので、その点は注意しましょう。

どちらにせよ、不動産買取りサービスであれば、スムーズに家を現金化することができ、住み替えのスケジュールを壊すことが無いというメリットが得られるはずです。