家の早期売却を望むパターンとは?早期売却を成功させるためのポイントもご紹介!

一般的にですが、自宅の売却を検討した際には、「できるだけ高値で売却したい!」と考えるものですよね。頑張って手に入れた大切なマイホームですから、1円でも高い値段がついてほしいと考えてしまうのは誰でも同じことだと思います。

しかし、家の売却を検討しなければならなくなった原因によっては、「高値で売る」ということもよりも、「できるだけ早期に現金化する」ということの方が重要視されることもあるのです。一般的に、仲介によって家を売りに出した場合、売却に数カ月はかかるものとイメージされていますが、半年程度までなら普通に待っていられるのでは…と考えてしまいますよね。しかし、離婚や相続、借金などと、人によってさまざまな事情が存在しますし、「家の売却価格も大事だけど、とにかく早く現金化することが重要!」と考えている方も少なくないのです。

それでは、家の売却を検討している方で「早期売却」が最も重要という状況になった場合、家の早期売却を成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか?この記事では、家の売却時に『価格』よりも『早さ』が重視されるパターンと、実際に早期売却を目指す際の注意点をご紹介します!

家の早期売却を考えるパターンとは

それではまず、家の売却を検討した場合でも、『早期売却』を重視しなければならないパターンをいくつかご紹介しておきましょう。冒頭でご紹介したように、大切なマイホームを売却するわけですし、本来であれば「時間をかけてでも高値で売りたい!」と考えてしまうものだと思いますよね。しかし、家の売却を迫られた状況によっては、売却価格よりも「早く売る!」ということを重視せざるを得ない場合もあるのです。

①離婚などによる財産分与

夫婦が離婚をする場合、マイホームについても『財産分与』の対象になってしまいます。もちろん、家を真っ二つに分けることなどできませんし、どちらか一方がそのまま住み続けるなんてことも考えらえます。しかし、状況次第で、家を売却してローンを完済する方向で話を進めることも珍しくありません。この場合は、家の売却が完了しなければ、財産分与も終わりませんし、早期に売却したいと考える物なのです。

こういった場合の注意点としては、家の名義が夫婦で共同名義になっている場合、売却の契約時、決済時には夫婦の立会いが必要になります。そのため、夫婦のコミュニケーションが崩壊してしまっている状態だと、2人が揃って立会いするためのスケジュール調整などに難航してしまうことも多いです。さらに、どちらか一方が、家の売却に反対した場合は、売却自体ができません。
珍しいパターンだと思うかもしれませんが、現在の日本では、夫婦の3組に1組が離婚していると言われていますので、「私には関係ない」と考えない方が良いかもですよ。

②相続による遺産分割

親が住んでいた実家などを相続する場合、「換価分割」といって売却して得たお金を相続人で分割することがあります。この場合も、早期に売却しないと、遺産分割協議がまとまりづらくなってしまうため、早期売却を希望する方が多いです。

なお、相続した家の売却などに関しては、相続と贈与で税金が大きく変わってしまいます。不動産会社などが間に入って売買するケースであれば、その辺りもうまく調整してくれますが、近所の人や知人に直接売却する場合は注意が必要です。こういった場合、「相続による売却である」ことを証明するための証拠をきちんと残すようにしておきましょう。

③借金返済のため

借金問題などがあり、自宅が差し押さえられそうになった…なんて場合、競売にかけられてしまう前に早期売却をする必要があります。この場合は、早期での売却も大切ですが、高値で売りたいという気持ちがどうしても残ってしまうため、なかなか難しい問題です。

なお、家を売却してもローンが残ってしまう…なんて場合は、「任意売却」という手法も考えてください。任意売却は、これを専門とするコンサルタントや、任意売却に対応している不動産会社に相談しなければいけません。なお、任意売却の場合、最終的な相手がローンを貸してくれている銀行だという点も忘れてはいけません。

このように、その人の状況によっては、高値で家を買ってくれる人をのんびり待っていられるような時間が無くて、とにかく「早く売る」ということを重視したい状況も考えられるのです。上記以外にも、転勤などで次の家が決まっているなんて場合も、内覧などに付き合えないことから、「さっさと売却する」ということを重視する方が多いです。

家を売却する場合、2つの売却フローがある

それでは、実際に家の売却を行う時、「高く売る」ための売却フローと「早く売る」ことを重視した場合の売却フローについてご紹介していきましょう。一般的に、「家を売却する」となった場合、不動産会社に相談して、広く販売活動を行ってもらったうえで買い手を探してもらうという『仲介』をイメージする方が多いです。要は、この方法が前者の「高値での売却を目指す」という手法で、この場合、直接消費者に家を売るわけですので、市場相場で売却することができるのです。

一方、後者の「早く売る」という点に主眼を置く売却方法に関しては、『不動産買取』などと呼ばれる手法になり、これは一般消費者に家を売るわけではなく、不動産会社に家を買い取ってもらうという手法になります。不動産会社は、買取した家をリフォームするなりして再販することで利益を出すのが目的になりますし、売却価格は市場相場からリフォーム費用や不動産会社の利益分があらかじめ差し引かれるわけです。ただし、不動産会社が提示する価格に納得できれば、その場で売却が成約になり、最短3日程度で現金化までが完了するというスピード感が特徴です。

それぞれの一般的な売却フローを下で紹介しておきますので、頭に入れておきましょう。

『仲介』・・・高値で売る時の売却フロー

  • STEP1 不動産会社が家の査定価格を算出
  • STEP2 家の買主を見つけるための販売活動開始
  • STEP3 内覧、気に入れば買付申し込みが入る
  • STEP4 価格交渉
  • STEP5 売買契約締結
  • STEP6 決済・引き渡し

仲介の場合、基本的に上記のような工程で家の売却活動が進みます。販売活動自体は不動産会社が行ってくれるのですが、的確で魅力的な広告展開をしなければなかなか内覧希望すら入ってこない…なんて状態になってしまいます。さらに、内覧に関しても、しっかりと準備をして購入希望者の相手をしていかなければ、内覧はあるけれど成約に至らない…なんてことになります。
仲介では、早ければ3~6カ月程度で家が売却できると言われていますが、仲介を依頼する不動産会社の能力や家そのものの魅力などによっては、1年たっても売れない…なんてことも考えられます。要は、売りに出してもいつ売れるのかは分からない…ということで、早期売却を希望している方にとっては非常に困ってしまう訳です。

したがって『早期売却』を重視する場合、次に紹介する『買取』の売却フローを選ぶことになります。

『買取』・・・早く売る時の売却フロー

  • STEP1 不動産会社が家の査定価格を算出
  • STEP2 価格に納得できれば売買契約締結
  • STEP3 決済・引き渡し

不動産買取は、不動産会社に直接家を売却するため、必要なステップが大幅に削減されます。不動産会社は、買い取った家に住むわけではありませんし、再販するためのリフォームなどが前提となっているので、「現在の家が住みやすそうか?」など一切関係ないわけです。あくまでも、リフォームしたらいくらで再販できるのか、またリフォームにいくらかかるのかなどから査定価格は算出し提示します。

家を早く売りたいなら『買取』が正解

ここまでの説明で分かるように、家の売却を検討している方で、何らかの事情で「早く売りたい」と考えているのであれば、不動産会社に直接買い取ってもらうという手法が正解と言えます。もちろん、仲介による売却でも、募集価格を相場よりも下げて売りに出してしまえば、「早く売る」ということは可能かもしれません。

しかし、仲介で早く売りたいから「募集価格を下げる」という手法はあまりオススメの方法ではありません。というのも、家の売却価格は高額ですので、10万や50万などという価格を下げた程度では何のインパクトもありません。したがって、早く売却するためには、数百万円単位の価格を下げる必要があるのです。それなのに、無理に価格を下げた場合「この家、相場よりもだいぶ安いけど、何か問題がありそう…」などと思われて、逆に買い手が付きにくくなってしまうリスクがあります。さらに、仲介の場合、家が売れた場合は仲介手数料を支払わなければならず、その辺を加味すれば、不動産買取に出す価格とさほど違いはない状況になってしまうのです。

その上、一般消費者に家を売った場合には、後から「契約不適合責任(民法改正前は瑕疵担保責任)」を問われてしまうリスクが残ってしまいます。不動産買取の場合、早く家が売却できるだけでなく、契約不適合責任などは一切問われませんし、売却後のトラブルは一切気にしなくても良いというメリットが非常に大きいです。