不動産売却に関わる専門用語!業者との打ち合わせで困らなくて良いよう最低限の意味を知っておこう!

今回は、何らかの理由で家の売却を検討した際、皆さんが耳にすることになる専門用語について解説していきたいと思います。不動産の売却は、一生のうちにそう何度も経験するような事ではありませんし、不動産会社と家の売却の打ち合わせをしている時には、業者が何を言っているのかよくわからない…なんてことになる場合があります。もちろん、その都度、分からない用語については質問すれば良いのですが、何度も話の腰を折ってしまうと、話の内容が頭に入ってこなくなり、打ち合わせ後には専門用語の意味しか覚えていない…なんてことになる場合があるのです。

そこでこの記事では、不動産売却時によく登場する業界の専門用語について、その意味を解説していきたいと思います。

不動産売却時によく耳にする専門用語

それでは、不動産売却時にほぼ確実に出てくると考えられる専門用語について、その意味を解説していきましょう。不動産売買に関する専門用語はたくさんありますので、すべての用語の意味を頭に入れておくということは難しいと思います。したがって、売主となる皆さんにも直接関係しそうな以下の用語の意味を優先的に覚えておくようにしましょう。

①媒介契約

『仲介』で不動産の売却を行う時には必ず登場する専門用語となります。不動産売却は、不動産会社に物件の査定をしてもらったり、キレイな写真を撮影してもらい物件の広告を作ってもらう、さらに不動産業者向けの物件情報サイトなどに掲載してもらうなど、さまざまな作業が必要となります。
こういった物件の売却活動を不動産業者へ委任するため、売主と不動産会社の間で交わす契約が『媒介契約』と言われます。なお、媒介契約にもいくつかの種類が存在しています。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

上記の3種類の媒介契約については、『一般媒介契約⇒専任媒介契約⇒専属専任媒介契約』の順で縛りが厳しくなっていくと覚えておきましょう。ただし、専任媒介契約や専属専任媒介契約については、他社と同時に契約ができない…など、縛りが厳しくなる代わりに、売却のために手厚いサポートが受けられるというメリットがあります。

②譲渡所得・譲渡所得税

次は、譲渡所得や譲渡所得税という用語です。例えば、皆さんが毎日仕事をしてお給料をもらえば、その収入に応じて所得税がかかりますね。実は、不動産売却でも、不動産を売って利益が出た場合、譲渡所得税という税金を納める必要があるのです。
ただし、この譲渡所得税に関しては、売却額そのものに税金が課せられるわけではありません。譲渡所得税の税額計算については、不動産の売却額から、その不動産の取得時にかかった必要経費などを差し引いた利益(これが譲渡所得)を基準に計算をします。
なお、不動産売却時には、さまざまな控除制度もありますので、高値で売却できたとしても、経費や控除をうまく活用すれば、税金を抑える、もしくはゼロにすることができます。

③損益通算

これは、一般の方のほとんどは聞いたことすらないかもしれませんね。要は、不動産の売却をした際、かかった経費などを考えたら「損をしていた…」という場合に、その不動産売却で被った損失を本業の所得から差し引くことができるという制度になります。

譲渡損失は、不動産を売却した翌年から最大で3年間繰り越しすることができるため、その間は所得税・住民税を大幅に節税することが可能になります。不動産が高く売れない…という場合でも、この制度を利用すれば、最終的に節税効果でプラマイゼロにすることも可能ですので、ぜひ覚えておきましょう。

④手付金

『手付金』は、不動産売却時以外にも登場する言葉ですし、どういった意味を持っているのかはある程度分かっているという方も多いと思います。
不動産売却の代金については、

  • 売主・買主両者が売買契約書にサインした日
  • 不動産の引き渡しを行う日

上記の2回に分けて決済するのが一般的です。
そして、上の2つの決済の内、売買契約を交わした証拠として買主から預かるお金のことを手付金というのです。手付金の金額については、仲介を依頼する不動産会社や売却の条件などによって変わります。

手付金について覚えておきたいのは、売買契約を交わしたのに、引き渡し日までに、買主側の一方的な事情でその契約の解除を行う場合、買主から受け取った手付金は返す必要がないということです。その逆に、売主側の事情によって一方的に契約の解除を申し出る場合、預かった手付金を倍返しする必要があります。こういった手付金の扱いに関しては、売買契約書の中に記載されますので、必ず隅々まで確認しておきましょう。

⑤登記

不動産の法的な所有権のことを『登記』と呼びます。
不動産のように、金額が大きくて、簡単に動かすことができないものは、お金のやりとりをするだけでは誰が正式な所有者なのかがなかなか分からないという問題があります。例えば、「お金を支払った人が所有者になる」というルールの場合だと、「お金を出した人」や「お金を出したように書類を偽造した人」に自分の土地の所有権を奪われてしまう恐れがあります。

そのため、不動産の登記については、日本政府の法務局という機関で保管・管理されており、不動産売却時には、登記を売主から買主へ変更するため、登記の書き換えが行われます。

⑥延べ床面積

延べ床面積は、建物の各階の床面積を合計したものです。ちなみに、容積率を算出する際は、以下の部分の床面積は延べ床面積から除外できます。

  • 自動車車庫・自転車置場の床面積
  • 建築物の地階の住宅用途部分の床面積
  • 共同住宅においては、共用廊下、共用階段、エントランス部分の床面積

⑦買い取り保証

買い取り保証は、不動産の売却を行う際、一定期間は『仲介』による売却を試みるが、所定の期日までに売却ができない場合、その不動産会社や業務提携先企業で物件の買取りをするという保証を付けた売却方法です。『仲介』による売却と『買取』による売却の良いとこ取りをした方法などと言われます。

例えば、転勤などの理由でマイホームの売却が必要になった方など、引っ越しの期日が決まっていて所定の日までに家の売却を完了させたいけど、可能な限り高値で売りたい…などという方にオススメと言われる手法です。買い取り保証であれば、最初に売却価格と買い手が決まった状態で販売活動を進められますので「いつ売れるのか?」と言ったストレスもなく業者に任せる事ができます。
ただし、買い取り保証の場合、最終的にその不動産会社が購入すると決まっているため、仲介時の販売活動にあまり力を入れてくれない場合があると言われています。

関連:不動産売却における『買取保証』ってなんだ?買取保証のメリットとデメリットをご紹介します

⑧古家付き

『古家付き』は、古家が建った状態で売りに出される土地のことです。不動産売却用の広告などには「土地(現況、古家あり)」などと表示されます。

これは、売主が『中古一戸建て』として売却するのではなく、「土地」として売りに出したいという意向の場合に使われる用語です。基本的に法定耐用年数が過ぎていて、建物自体に何の価値もないような古家が建った状態で、購入後にその家に住むかどうかは買主の判断となります。この売却方法の場合、売主はあくまでも『土地』として売却しているわけですので、家に対する売主責任は負わないということです。
買主は、購入後に古家を取り壊して建て替えするという場合、解体にかかる費用を負担する必要があります。古家が建っている場合、更地にした方が買い手が付きやすいというのは、購入後に解体費がかかる…という点を買主が嫌がるからです。

まとめ

今回は、不動産売却時に高確率で耳にすることになる、専門用語についてご紹介してきました。不動産売却は、人生の中で何度も経験するような事ではないため、打ち合わせに登場する言葉すら分からない…という方が少なくありません。したがって、不動産会社との交渉を少しでも有利に進める、スムーズに手続きを進めたいとお考えれあれば、こういった知識を持っておくのが非常に大きな武器になるのです。

不動産に関わる専門用語は、耳慣れない・見慣れないものが非常に多いですし、よく似た用語がたくさんある事から、理解するためには自主的な勉強が必要不可欠です。不動産の売却を考えた時には、時間を見つけて専門用語を少しでも覚えていっておくのがオススメですよ!