不動産買取の基礎知識!買取りで家を手放すのは意外にデメリットが少ない!

不動産を手放す場合には、仲介による売却と買取の2つの選択肢が存在します。一般的には、不動産を売却すると聞けば、仲介による売却をイメージする方が多く、買取業者にはなんとなくネガティブなイメージを持っている方が多いようです。実際に、弊社にお問い合わせいただいたお客様でも、最初は「本当に大丈夫なのですか…」と買取りを希望しているものの、業界自体に不安を感じているというケースも珍しくあしません。

というのも、不動産買取業界自体が注目され始めたのが最近になってのことですし、そもそも不動産の売却自体が、一般の人であれば何度もあるような経験ではないため、業界自体に関わり合いがないということが大きな理由だと考えられます。
そこでこの記事では、最近一般の方からも注目されている不動産買取について、この取引がどのような仕組みになっているのか、また仲介と比べた場合のメリットとデメリットについて簡単に解説していきたいと思います。

不動産買取について

それではまず、不動産買取がどのようなものなのかについてご紹介していきましょう。冒頭でご紹介したように、不動産の売却は、仲介による売却ならイメージできるものの、買取という手法についてはほとんど知らないという方が多いです。しかし、不動産買取の仕組みなどを正しく理解しておけば、ご自身が不動産の売却を考えた際、適切に活用できるようになるはずです。

ここでは、分かりやすいように、仲介と比較する形で買取の仕組みを解説しておきます。

買主が不動産会社になる

仲介による不動産の売却は、その家に住みたいと考える一般消費者に家を売るという仕組みです。一方、不動産買取は、不動産会社が直接買主になるという手法です。売却先が個人ではなく、不動産会社になるため、通常の売却とはかなり勝手が違ってきます。
なお、注意が必要なのは、不動産買取は、土地と建物の両方に対応していますが、業者によって得意分野が異なりますので、その辺りの見極めが重要になります。中には、訳あり物件を専門としているような買取業者もありますので、何らかの問題があって仲介では買い手が付かない…という場合には非常にありがたい仕組みになります。

仲介との大きな違いは?

それでは、不動産買取と不動産仲介の大きな違いについて解説していきましょう。結果として「家を手放してお金が手に入る」という点は同じなのですが、取引上の仕組みはかなり違いがありますので、以下の点はおさえておきましょう。

①購入者が違う
上述したように、不動産仲介と買取では買主が異なります。仲介による売却は、主に個人を対象にして売却活動を行うのですが、買取は不動産会社自体が買主になります。売り先が異なりますので、売却時の条件はもちろん、売却後の責任などに違いが存在しています。
②売却価格
仲介と買取では、売却価格に違いがあります。一般的には、仲介の方が売却価格が高くなりやすいと言われています。これは、家を売り出すときの価格は、基本的にその時の相場をもとにしていますし、最終的な成約価格は個人の買主との交渉次第である程度左右させることができるからです。つまり、仲介の場合は、市場相場に近い金額で売却することが期待できるわけです。
これに対し、買取の場合、不動産会社は買い取った不動産を再販することが目的です。そして、買取する不動産はそのまま売りに出すのではなく、リフォームやリノベーションなどの手を加えてから再販を行う訳です。したがって、買取業者の場合、再販するまでにある程度の費用がかかってしまうことから、その費用を差し引いた金額で買い取ることになるため、仲介よりも売却価格が下がるわけです。
③売却にかかる時間
最後は、売却活動にかかる時間です。この部分に関しては、買取の方が圧倒的に早いと考えてください。買取の場合、業者が提示する金額に納得できるのであれば、その時点で契約が成立します。しかし、仲介の場合、不動産会社に販売活動を依頼し、購入希望者に内覧してもらい、価格交渉をしたうえで、売却するかどうかという流れになります。
そもそも日本国内では、新築の方が人気ですし、売りに出してもなかなか内覧希望すら入ってこないなんてケースも考えられ、売りに出しても1年近く売れない…なんてケースも普通に存在します。不動産買取の場合、最短3日程度で現金化までが可能な場合もあるなど、この部分に関しては、圧倒的に買取の方が有利です。

不動産買取の種類について

不動産買取にも「即時買取」と「買取保証」という2つの種類が存在しますので、以下でそれぞれの特徴を簡単にご紹介しておきます。

■即時買取り
即時買取りは、言葉からイメージできるように、すぐに不動産会社に買取してもらう方法です。不動産会社に買取の依頼を出し、査定価格に納得できたのであれば、すぐに売却が完了する点が大きなメリットです。一般的に、仲介による売却の場合、3~6ヶ月程度かかると言われているのですが、即時買取りの場合は最短3日程度で現金化ができます。転勤など、何らかの理由で急いで売却を完了させたいと考えている方にはオススメです。
■買取保証
買取保証は、一定期間は仲介による売却を試みて、最初に決めた期間、売却活動を行ったとしても買い手が見つからなかった場合、不動産会社に買取してもらえるという手法となります。この手法は、仲介の期間中に買い手が見つかれば、より高値で売却できるという点がメリットです。一般的には、3カ月程度を目安に仲介に出し、売れなければ買取してもらうという場合が多いです。(仲介期間は自由に決められます)
買取保証に関しては、売却期限が決まっているものの、可能な限り高く売りたいと考える方にお勧めの手法なります。

不動産買取のメリット

不動産買取がどういった仕組みなのかが分かっていただけたところで、仲介ではなく、買取を利用した場合に得られるメリットを見ていきましょう。「不動産の売却=仲介」というイメージが強いものですが、買取ならではのメリットはたくさん存在します。

現金化が早い

上述していますが、不動産買取は家の現金化が非常に早いというのが特徴で、最短で3日程度、遅くても1カ月程度の期間があれば、不動産の売却が完了します。転勤が決まって、既に住み替え先が決まっているなど、不動産をできるだけ早く手放したいと考えている方にとっては非常に大きなメリットになるはずです。

さらに売却自体が早く完了するだけでなく、買主が専門業者である不動産会社になりますので、売却時の手続きを不動産会社に一任することができ、売主側の手間がかなり省けるという点もメリットです。

内覧が必要ない

仲介による不動産売却では、不特定多数の希望者による内覧の相手がかなり負担になります。売却活動中は、自分たちの予定よりも内覧者の予定に合わせなければならず、休みが全くなくなってしまう…というケースも珍しくありません。

不動産買取の場合、訪問査定がありますが、あくまでも建物の状態などを確認するだけですので、一般消費者向けのホームクリーニングや不用品の処分、明るさなどの調整なども全く必要ありません。もちろん、買取査定の際に綺麗な方が印象が良くなりますので、可能な限り掃除などはしておくに越したことはないですよ。

仲介手数料が必要ない

仲介によって不動産を売却した場合には、成功報酬として不動産会社に仲介手数料を支払わなければいけません。そして、不動産の売買に関わるコストとしては、この仲介手数料が非常に大きなウェイトを占めています。

買取の場合は、不動産会社に直接売却するという仕組みですので、仲介会社を介していませんし、この仲介手数料が不要になるという点が大きなメリットです。一般的に、不動産買取は、仲介よりも売却価格が安くなると言われていますが、こういったコストがなくなることで、買取の方が圧倒的に損だとは言えない状況になっています。

事前に売却価格がわかる

買取により不動産を売却する場合、不動産会社が提示してきた金額が成約価格になりますので、事前に「いくらで売れるのか?」が明確になります。したがって、住み替えなどを検討している方であれば、資金計画を非常に立てやすくなるというメリットが得られます。

「仲介でも一緒では?」と思うかもしれませんが、仲介による売却の場合、売り出し価格を不動産会社と相談して決めたとしても、最終的な売却価格は、購入希望者との交渉によって決まります。時には査定額以下の価格でしか買い手が付かない…なんてこともありますので、「いつ、いくらで売れるのかがわからない…」という点にストレスを感じる方が多いのです。

売主責任が免責になる

仲介による売却では、売却後、家に何らかの問題が生じた場合、契約不適合責任を問われるリスクがあります。契約不適合責任は、買主の権利が非常に強いもので、後から問題が生じないように、売却前に家の状態をしっかりと把握するためのホームインスペクションなどが非常に重要になっています。

一方、買取の場合、不動産会社に直接買い取ってもらう方法ですので、契約不適合責任が免責となり、後から問題が発覚しても、売主がその責任を負う必要がないのです。仲介の場合、売却前の調査にもコストがかかりますし、売却後もさまざまなリスクが生じてしまいます。
買取では、瑕疵があればその修繕のために売却額が減額されるものの、売却後に別途費用を請求されてしまう…なんてことがないという点が大きなメリットです。

不動産買取のデメリット面

それでは最後に、不動産買取に存在するデメリットについても簡単にご紹介しておきましょう。

売却価格が安くなりがち

まず一つ目のデメリットは、仲介よりも売却価格が安くなってしまいがちという点です。上述したように、不動産会社は、買取した不動産をリフォームやリノベーションして再販することが目的になります。つまり、何らかの手を加えて売ることを前提に家を手に入れようとしていますので、それにかかる費用をあらかじめ売却価格から差し引くので、安くなってしまう訳です。
もちろん、仲介による売却でも、購入希望者の交渉に乗ってしまった事で、想定以上に安くなる…なんてことも考えられますが、基本的には買取の方が安くなると考えておいた方が良いでしょう。

買取業者が少ない

最近でこそ不動産買取という手法が注目されていることから、買取に対応する業者も増えてきています。しかし、不動産会社全てが買取を実施しているかというとそうではなく、仲介を手掛けている業者よりはかなり数が少なくなると考えておきましょう。

したがって、近くにある不動産会社に依頼しようと思っても、買取に対応してくれない…など、買取業者を探すのに苦労するかもしれないと考えておきましょう。

まとめ

今回は、不動産の売却を検討している方に向け、近年注目されている不動産買取と言われる手法の仕組みについて簡単に解説してきました。不動産の売却は、仲介による売却が真っ先に思い浮かびますし、それ以外の手法がある事さえ知らなかった…という方も少なくありません。

しかし近年では、仲介による売却に関して、販売活動期間が長い、売却後のリスクが意外に無視できない、仲介でもそこまで高値で売れない…などと言った事から、手っ取り早く家の売却が完了する不動産買取の注目度がどんどん高くなっています。
不動産買取は、あらかじめ再販のために手入れをするコストが差し引かれてしまいますので、市場価格よりも少し安い売却額になることがデメリットと言われています。しかし、売主責任を問われることがない、仲介手数料がかからないなど、コスト的なメリット面も意外に大きいという事実が存在します。
一般的には、「できるだけ早く家を売却したい」「訳あり物件を売却したい」という場合には不動産買取がオススメされますが、それ以外でも仲介より圧倒的に不利というわけではないと考えておきましょう。