家を高く売りたい!そもそも不動産の査定ってどこを見てるの?

家の売却を検討した場合には、まずは不動産会社などの専門業者に自分の家がいくらぐらいで売却できるのかを査定してもらわなければいけません。売却する人からすれば「できるだけ高く売りたい!」というのが希望でしょうが、家にも相場というものがありますので、売り手側が好き勝手に価格をつけるという訳にはいかないのです。

しかし、実際に不動産会社に自分の家の査定を行ってもらう時には「いったい何を見て家の価格を決めているのだろうか?」ということが気になるのではないでしょうか?特に、自分が考えていた価格よりも安い査定額が付いた際には、「どのポイントを見たのか?」ということがとても気になると思います。家の査定に関しては、専門性が非常に高いことから、一般の方であれば査定で見られるポイントが全く分からない…なんて場合が多いと思います。

そこでこの記事では、不動産会社などが家の査定を行う際に確認しているポイントについてご紹介していきます。査定ポイントが分かっていれば、より高い価格をつけてもらうための準備も可能になるかもしれませんよ!

ポイント① 築年数

引用:国土交通省資料より

家の査定ポイントとして、まずみられるのは『築年数』です。当たり前のことですが、築年数が古くなればなるほど、家の査定価格は下落していきます。一般の方であれば、あまり意識することはないかもしれませんが、建物にも法定耐用年数という指標が定められており、一般の住居用木造建築であれば22年、鉄筋コンクリート造であれば47年となっています。
なお、日本国内の戸建て住宅では、木造建築が多いのですが、上のグラフから分かるように、築15年まで急激にその価値が下落していき、なんと築20年を超えた家については、建物の価値がほぼ『ゼロ(国土交通省の資料では1割)』にまで下落していってしまうのです。

家の価格は、築年数が大きく影響を与えますので、築年数と売却相場の関係は大まかにでも掴んでおいた方が良いでしょう。一般的な、築年数と売却相場の関係は、

  • 築10年程度で新築状態の半分程度の価値になる
  • 築15年程度で新築状態の3割程度の価値になる
  • 築20年程度で新築状態の1割程度の価値になる

上記のようなイメージを持っておきましょう。ちなみに、建物の価値は、築15年目までに急激に下落することになり、築20年を超えると横ばいなっていきます。ただし、築30年を超えてくると「古家付きの土地」などとして、土地のみの価格で取引されるようになるのです。特に、見るからに家が傷んでいる…なんて場合は、解体して更地にしなければ買い手がつかない…なんてことも珍しくありません。

ポイント② 家の内装

次に確認されるポイントは建物の内装です。内装は、「部屋がきれいな状態か?」「異臭が染みついていないか?」「生活しやすい空間か?」などといったポイントが確認されます。
壁紙やフローリングの状態など、室内の劣化状況を始めとして、生活動線が考えられた間取りになっているのかなどが査定時のチェックポイントになります。特に以下のような点は、査定価格に大きな影響を与えます。

雨漏りやシロアリ被害の有無

家の査定時に雨漏りやシロアリ被害が発生しているとわかった場合、売却前に修繕を求められる場合もあります。
このポイントに関しては、床下や屋根裏の点検口、押し入れ・クローゼットの天井部分など、かなり細かな部分まで確認され、雨漏り跡や木材の腐食が無いかをチェックされます。家の中でも、日当たりが悪い場所はシロアリ被害が考えられますので、念入りにチェックされます。

水回り設備

キッチン、お風呂場、洗面化粧台などに関しては、設備の状態はもちろん、設備のグレード自体も念入りにチェックされます。例えば、最新のシステムキッチンや給湯設備などがあれば、査定額がアップします。
その一方、水回り設備に関しては、長年の使用で劣化してしまっている…ということが多いですし、汚れが目立つ…なんて場合も少なくありません。少しでも査定額を上げたい場合は、普段からのメンテナンスが大切です。

人気設備の有無

人気に最新住宅設備が導入されている場合、通常よりも査定額が高くなることもあります。
例えば、防犯カメラなどのセキュリティ設備や太陽光発電設備、床暖房や家庭用蓄電システムなど、最新の人気住宅設備はそれがあることで査定価格がUPします。

ポイント③ 家の外装

家の外装に関しても査定価格に影響を与えるポイントになります。例えば、屋根や外壁に塗装剥がれなどがおきていないか、目に見える破損個所はないかなどが確認されます。
家の外装は、劣化に気付いてもなかなか査定前に対処のしようがないのですが、築年数が経過した古い家で、木部が腐食している箇所があったりすると、査定額が大きく下がったりします。また、水平器を利用して、建物の傾きなども確認されるのですが、この際に傾きが明らかな場合は、売却できない…なんてことも考えられます。

ポイント④ 土地の状況

家を売る場合には、建物だけでなく、土地の状況も非常に重要なポイントになります。基本的に、土地は建物と分けて査定額が算出されます。査定ポイントは以下のような感じです。

面積や土地の形状

土地の査定価格は、面積の大きさだけでなく形状も重要です。広いうえに使いやすい土地ほど、高額査定が期待できます。その逆に、土地が狭い場合、建築基準法の関係で、再建設する際にさまざまな制限がかかりますので、査定額が下がってしまうことになります。

日当たりや眺望

快適な住空間を実現するためには、日当たりや眺望も非常に重要で、査定額に大きく影響するポイントになります。
なお、日当たりは道路に面している方角が「どちらに向いているか?」が確認されます。基本的には、最も日当たりが良くなる『南向き』が高い評価を受け、次に『東向き』が好まれます。その逆に、日当たりが悪くなってしまう『北向き』や西日がキツイ『西向き』の家は、査定額が下がってしまう恐れがあります。
さらに、少し高台にある家など、見晴らしが良い条件の場合、「眺望が良い」ということが加味され高い評価を受けます。周囲が高い建物に囲まれている…なんて土地は、査定がマイナスになる可能性があります。南向きで本来は日当たりが良い条件の家でも、周囲にマンションが建っていて日当たりが…なんて場合、メリットが生かせなくなります。

接道道路との関係

建物を建てる場合には、建築基準法によりさまざまな制限があります。そしてその中には、家を建てられる土地の条件として「4m以上の幅のある公道に敷地の接点が2m以上なければならない」というものがあるのです。
この条件から、道路に面している間口が自動車が十分に入れる程度の幅(4m)が無い場合は、高額査定を望めなくなってしまいます。他には、接道と高低差があり、それが生活の利便性に悪影響を与えるなどという場合も査定上のマイナスポイントになります。

ポイント⑤ 周辺環境

家の査定額は、その家の状況だけでなく、「どういった立地なのか?」という周辺環境が査定価格に大きな影響を与えます。例えば、家を購入する人からすれば、駅近の方が利便性が高いと考えるのは当たり前ですので、こういったポイントが価格に影響するわけです。

生活利便性の高さ

家の周辺に、スーパーや学校、病院などの施設があり、生活利便性が高いと考えられる物件ほど、査定額が高くなります。一般的に、生活利便性の高さは、各施設からの距離について「徒歩10分」が目安となり、それより近ければ、プラス査定、遠ければマイナス査定になります。

通勤などの利便性

基本的に、会社や学校などが密集している中心街への交通アクセスが良いほど査定額が高くなります。
さらに、最寄り駅から近い、バス停などが近いなども査定額に影響を与えます。その逆に、駅から距離が離れていて、交通アクセスが悪い…と判断されるような物件はマイナス査定になります。

まとめ

今回は、家を売りたいと考えている方がおさえておきたい、家を査定する際にチェックされるポイントについてご紹介してきました。誰でも、大切な家を売却するときには、「できるだけ高く売りたい!」と考えると思うのですが、実際の査定ではかなり細かくチェックされてしまい、思うような査定額にならなかった…なんてことが多いです。

なお、家の査定に関しては、1社だけに任せるのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼しておく方が良いですよ。というのも、不動産会社によって、重視する家の査定ポイントは変わってしまいますので、提示される査定額に大きな差が生じてしまうこともあるのです。
これから家の売却を検討している方は、どういった点をチェックされているのかを知っておき、可能な部分は事前に準備しておくのがオススメですよ。例えば、水回り設備をピカピカに磨いておくだけでも、プラス査定の判断をしてもらえる可能性があるのです!