不動産買取業者を選ぶときの注意点は?家の売却を後悔しないためにおさえておきたいポイント
家の売却を考えた時には、『仲介』と『買取』という二つの手法が存在しています、仲介による売却であれば、買い手を見つけてもらうためにしばらく時間がかかってしまうことから、転勤や住み替えなど、ある程度スケジュールが決まっている場合、困ったことになることも多いです。一方、買取を選択すれば、不動産会社が直接家を買ってくれるわけですので、短期間で現金化することができ、その後のスケジュールもスムーズに進みやすくなることから、買取による売却を選択する方が増えています。
しかし、一口に不動産買取業者と言っても、さまざまな企業が存在していますし、ほとんどの方は「家の売却」など初めてのことですので、どんな業者に相談すれば良いのか分からない…と不安になんてしまうものです。そこでこの記事では、不動産買取業者選びに失敗しないため、おさえておきたいポイントをご紹介していきます。
そもそも不動産買取業者とは?
不動産会社と聞けば、「賃貸住宅の部屋探しにお世話になる業者」といったイメージをする方が多いかもしれませんね。しかし、一口に不動産会社と言っても、さまざまな業態があり、会社ごとに専門分野が異なっているのです。
例えば、不動産の売却仲介を専門とする売却業、賃貸住宅の仲介を専門とする賃貸業、さらに、マンションなどの管理業務を専門とする管理業などが存在します。不動産買取業者についても、こうした不動産会社の一種で、中古マンションや戸建て住宅を買い取り、リフォームや建て替えをして高値で再販することで利益を出しています。
仲介業者と何が違うの?
家の売却を検討した場合、不動産買取業者ではなく、仲介業者に依頼することを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
仲介業者は、不動産会社が直接家を買うのではなく、webに家の情報を掲載したり、チラシを作って配布したりなど、売主の代わりにさまざまな販売活動をして買い手を探すというのが主な仕事になります。要は、売主と買主のマッチングをさせることが仲介業者という訳です。
不動産買取業者は、上述したように、不動産会社が直接不動産を買い取り、何らかの付加価値をつけて再販するのが主な業務で、業務内容を深く考えれば、全く別の業者と言えます。それでは、不動産買取業者に相談する際のメリットとは何なのでしょうか?
不動産買取業者のメリット
仲介ではなく、不動産買取業者に相談するには、以下のようなメリットがあると言われています。
- 現金化が早い
- 不動産の引渡し時期が調整しやすい
- 契約不適合責任が免除される
- 仲介手数料が不要
- 内覧が必要ないので、内覧準備なども必要ない
- 近所にバレずに家を売れる
不動産買取業者が選ばれる最も大きなメリットは「現金化が早い!」という点です。仲介の場合、いつ買い手が見つかるのか分からない…なんて状況になりますが、買取の場合、不動産会社が提示する価格にあなたが納得すれば、最短数日で家の売却が可能です。時間がかかる場合でも1カ月程度を見込んでおけば良いとされています。
したがって、急にお金が必要になった…、転勤が待っているから早く売りたい、住み替え先がもうあるなんて場合は、非常に大きな魅力になるのです。
不動産買取業者は買取価格が安くなりがち
上記のようなメリットがある一方で、不動産買取業者に相談した場合、買取価格が市場価格の1~3割程度安くなるという点がデメリットとされています。例えば、市場価格が3000万円の家であれば、不動産買取業者の買取査定で2100万円程度の価格になってしまうことがあるということです。家は、もともとの価格が非常に高いので、1割安くなるだけでも、かなり大きな金額を損したような気になってしまいます。
それでは、なぜ不動産買取業者に相談した場合、市場相場よりも安くなってしまうのでしょうか?
これに関しては、不動産買取業者の場合、買取した不動産をリフォームするなど、付加価値をつけて再販することが目的になります。当然、再販による利益が不動産買取業者が求めるものですので、「できるだけ安く買って、高く再販する」ことが大切なのです。つまり、買取する家などの状態で、「どういったリフォームが必要か?」をしっかりと検討し、そのリフォームにかかる費用を差し引いた価格を提示するということなのです。
逆に言えば、築年数が古すぎてリフォームしても再販できない…、立地が悪すぎる…なんて家の場合、買取を拒否されてしまうことも考えられます。不動産買取業者の場合、仲介手数料はかからないものの、再販するための処置にかかる費用はあらかじめ差し引いて査定が行われると覚えておきましょう。
不動産買取業者選びのポイントについて
不動産買取業者がどういった会社なのがわかったところで、買取業者選びを進める際に注意しておきたいポイントをご紹介しておきましょう。不動産買取を成功させることを考えた場合、最初の「業者選び」が非常に重要な行程の一つになると考えておきましょう。
不動産の買取価格ややり取りのスムーズさは、買取業者によってまちまちです。相談する業者選びを間違ってしまうと、買取価格が低くなってしまう恐れがありますし、売れるまでに予想以上に時間がかかってしまう…なんてことになりかねません。
不動産買取を相談する際の業者選びは、主に以下のようなポイントに注目して進めましょう。
①査定価格が高い業者を選ぶ
不動産買取の場合、買取業者が提示してくる査定価格が、基本的にそのまま買取価格と考えても良いです。したがって、買取業者選びを進める時には、シンプルに最も高い査定価格を提示してくれた会社を第一優先にすべきです。
不動産の査定に関しては、不動産会社ごとに査定ポイントが微妙に異なってくることから、査定価格にばらつきが生じる物なのです。したがって、「早く売りたい!」と思っていたとしても、1社だけに査定させるのではなく、複数社に査定を依頼し、査定額を比較検討するのが大切と覚えておきましょう。
ちなみに、仲介の場合は、査定額が他よりも抜けて高いなんて業者は、逆に危険だと考えましょう。
②付帯サービスにも注目しよう
不動産買取業者の中には、買取に付随するサービスを提供している場合があり、そのサービスの充実度は意外に重要なポイントになります。例えば以下のような付帯サービスが存在します。
- 買取保証・・・ひとまず仲介に出して、仲介で売れない場合、買取してもらえる(仲介は3ヶ月が一般的)
- 買い取り賃貸居住サービス・・・売却後もしばらく住むことができる
- 不動産具処分サービス・・・不要な家具などを無料で処分してくれる
上記に様に、ニーズに沿った付帯サービスを用意している買取業者が増えています。買取査定価格が同じぐらいであれば、こういった付帯サービスに注目して選択するのも良いでしょう。
③買取り実績について
現在では、不動産買取を行っているような不動産会社は、一般消費者向けのホームページを公開するのが当たり前です。そして、そうした公式サイトなどで、これまでの買取り実績などを紹介している場合が多いです。
買取り実績を確認し、どの程度の買取り件数があるのか、ユーザーからの評価はどうなのかを確認することで、その業者が本当に買取を得意としているのかを見極めることも可能です。もちろん、公式サイト上にはあまりネガティブな情報は掲載しませんし、不動産会社側が発信している情報だけで判断するのもなかなか難しいものです。最近では、SNSや口コミサイトなども増えていますので、そういったものも確認し、あまりに悪評が多い…なんて業者はやめておいた方が良いかもしれませんね。
④交渉に応じてくれるか?
最後は、親身になってあなたの話を聞いてくれるかどうかです。不動産のように、高額な買取業務の場合、複数の会社から相見積もりをとり価格交渉を行うというのは当たり前の行為です。
例えば、A社が2000万円という査定を出した際、「B社は2100万円という査定だったのですが…」と伝え、A社にそれ以上の金額で買い取ってもらえないかと持ち掛ける価格交渉は必ず行うものです。当然、価格交渉をしたからと、全ての業者が交渉に応じてくれるわけではないのですが、こういった交渉に全く聞く耳を持たないなんて業者はオススメできません。価格交渉に乗れない場合でも「なぜその査定額なのか?」を分かりやすく説明し、「残念ですがうちではこれが限界です…」などと、親身になって疑問に答えてくれる業者は安心できる業者と言えます。
不動産買取業者もかなり増えてきていますので、上記のようなポイントから、自分に最も合った業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、大切なマイホームの売却を考えた場合に、不動産買取という手法を選択する場合に、相談する業者を選ぶときのポイントをご紹介してきました。
不動産買取は、素早く現金化を完了させることができるということや、売却後に不具合を指摘される心配が全くないということから、近年その注目度が高くなっています。しかし、直接不動産会社に家を売却するという手法ですので、提示された査定価格について「足元を見られているのでは?」と不安になってしまう人も少なく無いと言われているのです。
不動産の売却を思い立って、買取という手法を選ぶ際には、この記事の内容を思い出して、自分に合った業者を選ぶようにしましょう。