一般的な『不動産買取』の流れをご紹介します!
不動産買取であれば、素早く現金化ができるというメリットがあるのですが、「買取だと具体的な流れが不明で少し怖い…」などと不安に感じてしまう方も多いです。仲介の場合であれば、買主は一般の方なのですが、不動産買取の場合は、不動産会社が直接、家や土地を購入することになることから「騙されていないかな…」なんてネガティブな考えが思い浮かんでしまう方も多いのだと思います。
そこでこの記事では、一般的な不動産買取の流れをいくつかのステップに分けてご紹介していきたいと思います。大きなお金が動く取り引きとなりますので、複雑な工程があると考えてしまっている方も多いですね。しかし、不動産買取に関しては、最短で数日から最長でも1カ月程度で不動産の現金化が可能な手法なのです。そのため、何らかの理由で素早く不動産を現金化したいとお考えであれば、非常に助かる取引手法だと言えるでしょう。
ここでは、不動産買取における各ステップでのトラブル防止策も一緒にご紹介しておきますので、ぜひ頭に入れておきましょう。
STEP1 取引に必要な書類を用意する
不動産買取の最初のステップとしては、取引時に必要になる書類を確認しておくということです。仲介ではなく、不動産買取を選択する方というのは、「早く現金化したい!」という考えでしょうし、取引をスムーズに進めるための事前準備がとても大切です。不動産の売買を行う時には、さまざまな必要書類がありますので、事前に書類が揃っているのかを確認し、手元にない書類があれば再発行などの手配をすぐに行いましょう。
不動産の取り引きを行う場合に必要になるのは以下のような書類です。
- 登記済権利証、登記識別情報
不動産の所有権を証明する書類となります。登記完了時に法務局から交付されているはずですので、確認しておきましょう。なお、2005年以降は、登記識別情報という形で交付されています。この書類に関しては、紛失しても再発行を受けることができません。もし紛失している場合には、本人確認情報を作成してもらう必要があります。
『土地・戸建・マンションなどすべての不動産買取りに必要』 - 固定資産税納付通知書
固定資産税を確認するための書類で、年に1回、自治体から送られてきます。手元にない場合は、市区町村の役所に行き、固定資産税評価証明書を発行しておきましょう。
『土地・戸建・マンションなどすべての不動産買取りに必要』 - 建築確認済証、検査済証
建築基準法を満たして建てられた戸建てであることの証明になります。戸建てを建築(購入)した際に受け取っているはずです。この書類は再発行できませんので、紛失している場合は、役所にて台帳記載事項証明書を発行し、内容の確認が必要です。
『戸建の不動産買取りに必要』 - 土地測量図面、境界確認書
敷地面積の広さや、隣接する土地や建物との境界を証明する書類です。土地を取得した際に受け取っている書類です。紛失している場合は、測量士などに依頼して再度作成する必要があります。それなりの費用がかかりますので、買取を依頼する会社に相談するのも良いでしょう。
『土地・戸建の不動産買取りに必要』 - マンションの管理規約
マンションの売却時は管理規約が必要です。この書類は、マンションの管理状況や、マンションに居住する際のルールなどを明確にするための書類です。購入時に受け取っている書類ですが、紛失している場合、管理会社に問い合わせてみましょう。
『マンションの不動産買取りに必要』 - 本人確認証、印鑑証明書、住民票
物件の引き渡し時に必要になります。本人確認証は、運転免許証やマイナンバーカードで問題ありません。住民票や印鑑証明は、役所で発行してもらいましょう。
『土地・戸建・マンションなどすべての不動産買取りに必要』
不動産買取を進める場合には、上記のような書類が必要になりますので、スピーディに取引を進めたいのであれば、事前に用意しておきましょう。なお、建物の状況や不動産会社の規定などによって、上記以外の書類を用意しなければならない可能性もあります。
STEP2 不動産相場の確認
不動産買取の場合、不動産会社に物件の査定をしてもらい、買取り金額がいくらになるのかを提示してもらうことになります。しかし、売主自身が、自分の不動産に関する相場を何も知らなければ、提示された金額が妥当なのか判断のしようがありませんよね。したがって、買取価格の提示を受ける前に、自分自身で不動産相場を調べておくことがとても大切です。
なお、不動産買取の場合は、仲介と比較すると、1~3割程度は買取価格がおさえられてしまうのが一般的です。というのも、不動産会社は、買い取った不動産をリフォームなどをして高値で転売する事が目的になりますので、あらかじめその分の費用を差し引いているわけです。
さらに、「安い価格がつけられやすい」取引であるだけでなく、売主が売却を急いでいる場合が多いということから、不動産会社の中には足元を見て不当な安値を提示してくる場合もあるのです。不動産相場を知っておけば、提示された価格が「転売を考えて安くつけられたのか?」「足元を見られているのか?」がわかるようになりますので、売った後に「もっと高く売れたのに…」なんて後悔をしなくて済むようになります。
なお、自分の不動産の相場を調べる場合、以下のようなサイトで成約価格を調べてみて、その価格の6~9割程度の価格だと想定しておけば良いと思います。
> レインズ・マーケットインフォメーション
> 不動産取引価格情報検索
STEP3 査定依頼
ある程度の不動産相場がつかめたら、いよいよ不動産会社に売却を考えている不動産の査定を行ってもらいましょう。不動産の査定を行った貰う場合は、以下のようなポイントに注意してください。
査定方法について
不動産の査定を行うには、大きく分けて2つの方法があります。それぞれの特徴は以下のような感じです。
- 簡易査定
簡易査定は、物件の築年数や広さ、場所などから不動産価格を出す手法です。不動産会社のWEBサイトなど、オンラインですぐに価格を確認することができる点がメリットです。ただし、実際の物件を見ているわけではないので、正確性に欠けるという問題があります。 - 訪問査定
これは、売却を考えている物件を実際に確認して査定する方法です。不動産業者が現地まで足を運び、細かな部分まで確認します。訪問査定の場合は、査定額がそのまま買取提示額になると考えても良いです。ただし、不動産会社を招き、いろいろな質問に答えるなど、査定にそれなりの時間と手間がかかります。
査定は複数の会社に依頼しよう!
不動産買取の場合、買取査定に関しては1社だけに依頼するのではなく、複数の会社に査定を行ってもらうのがポイントです。
不動産会社によって査定ポイントは異なりますし、同じ物件でもかなり提示価格が違ってくるということも少なくありません。また、不当に安い価格を提示された場合でも、複数社から見積もりを取っておけば、引っかからずに済みます。
少し面倒ですが、最低3社程度は訪問査定をしてもらうようにしましょう。
STEP4 買取してもらう不動産会社を決める
STEP3で査定をお願いした会社の中から、実際に買取してもらうところを決定しましょう。不動産会社を決めるポイントとしては、買取提示額が最も高い会社を選択するという方法でも特に問題ないとは思います。その他の、業者を判断するポイントは、以下のようなものです。
- 買取り実績を確認する
業者のHPに掲載されている買取り実績や、SNSなどでの評判を調べて、あまり悪評がない業者を選択すると良いでしょう。最近では、不動産売買に特化した口コミサイトなども登場していますし、そういったサイトも確認しておくのがオススメです。なお、口コミは悪評ばかりが気になるものですが、悪評と良い口コミのバランスなどもきちんと確認しておきましょう。 - 価格交渉などの相談にも真剣に乗ってくれる業者がオススメ
不動産買取を依頼する業者は、どんなに急いでいても、常に横柄な態度や決めつけ、こちらの話を聞いてくれない…なんて業者はオススメできません。こういった会社に依頼した場合、後から「もっと高く売れたのでは…」なんて後悔の気持ちがわいてきてしまいます。良心的な業者かどうかの判断ポイントは、あなたが価格交渉をしたとしても、真剣に相談にのってくれるかどうかです。まともな業者であれば、交渉に応じられない場合でも、「なぜその価格なのか」を理解できるまでしっかりと説明してくれるはずです。
STEP5 売買時の細かな条件を確認
不動産の買取り時には事前に色々なポイントを確認しておかなければいけません。以下に代表的な条件をご紹介しておきます。
条件 | 内容 |
---|---|
スケジュール確認 | 不動産の買取りは、「入金日がいつなのか?」「引き渡しがいつなのか?」といったスケジュールを明確にしておくのが大切です。特に、入金日の認識ズレはトラブルの元ですので、しっかりと確認しておきましょう。 |
必要書類の確認 | 上述したように、不動産買取ではさまざまな書類が必要です。STEP1で紹介した以外の書類が必要になる場合もありますので、漏れなく準備するため、しっかりと確認しておきましょう。 |
家財道具の処分について | 不用な大型家具などの処理についても確認しておきましょう。残しておけば良いのか、引き渡しまでに処分しなければならないのか、業者によって取り扱いが異なります。自分が処分する場合、不用品回収業者などに依頼する必要がそれなりにコストがかかってしまいます。ここを明確にしておかなければ、後から請求書が届いてトラブルに…なんてことが考えられます。 |
その他 | その他、気になる部分や条件などは全て確認しておきましょう。手付金がある場合その金額や契約解除の取り決めなども念のため確認しておくのがオススメです。 |
STEP6 売買契約の締結⇒決済・引き渡し
ここまでの条件が決定すれば、不動産会社と売買契約を締結し、その後は決済・引き渡しという流れで進んでいきます。
このSTEPに関しては、不動産会社が主導してくれることになりますので、特に心配をする必要はないと思います。
STEP7 確定申告
不動産の売買に関しては、STEP6で完了するのですが、その後忘れてはいけないのが確定申告です。不動産の売却に伴って、利益が出た場合には、きちんと確定申告をしなければいけません。
ちなみに、不動産買取りで利益が出たかどうかは以下の計算式に当てはめると分かります。
不動産買取の多くは、上記計算式に当てはめても利益までは出ない方が多いです。しかし、一定の損失が出た場合でも、税金の軽減措置が受けられ場合がありますので、税理士などに相談してみましょう。
なお、不動産買取で利益が生じた場合、特別控除・特例などを利用して税金額を軽減することができるかもしれません。不動産売却時の控除に関しては、別の記事でご紹介していますので、そちらもご参照ください。
関連記事:不動産の売却を検討しているなら「3000万円特別控除」の基礎知識はおさえておきましょう!
まとめ
今回は、不動産を素早く現金化するための手法となる不動産買取について、一般的な不動産買取の流れをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、不動産買取に関しては、そこまで複雑な流れになっているわけではなく、あまり不安に思わなくても大丈夫だと思います。
もちろん、買取を依頼する不動産会社によって微妙に流れが変わってきたりしますので、上述した流れが絶対というわけではありません。不動産買取に関するその他の疑問があれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。