『買取』が向いている家の条件ってどんなの?買取のメリットも合わせてご紹介します!

現在住んでいる家の売却を考えた場合、多くの方は不動産会社と契約を結んで、広く買い手を募集してもらう『仲介』による売却を検討するのではないでしょうか?一般的には、不動産の売却は、この仲介による手法が当たり前で、その他に家を売却する方法があることを知らない人も少なくないと言われています。しかし実は、不動産の売却手法には『買取』と呼ばれる手法も存在しており、不動産買取であれば、仲介では買い手が付かないような物件でも売却することが可能だと言われているのです。

そこでこの記事では、現在、家の売却をご検討中の方に向けて、『買取』と呼ばれる手法で家の売却を行う場合のメリットと、実際に家の売却をする際に不動産買取が向いている家の条件をご紹介していきます。

不動産買取のメリットとは?

それではまず、家の売却を考えた時に、仲介を依頼するのではなく、不動産買取という手法を利用することで得られるメリットからご紹介していきましょう。

そもそも「不動産買取って何?」と疑問に感じてしまう人もいるかと思いますが、この方法は、家を一般消費者に売却するのではなく、不動産会社に直接買い取ってもらうという売買手法のことを指しています。不動産会社は、買取した家をリフォームなり建替えなりして再販することで利益を得られることから、仲介ではなかなか買い手が付かないような家でも買取りしてもらえると、近年その注目度が高くなっています。

ここでは、仲介による売却と比較した場合の買取のメリットをご紹介していきたいと思います。

メリット① 条件が悪い家でも買い取ってもらえる

不動産買取は、仲介による一般的な販売活動ではなかなか買い手が付きにくい…と考えられるような物件であっても、売却が可能だというメリットがあります。

むしろ不動産買取業者の中には、通常の物件ではなく、比較的条件が悪いとされるような物件を専門に取り扱っているような不動産会社もあると言われています。したがって、立地が悪い…、建物が古い…など「この条件の物件は売るのが難しいかな…」と思うようであれば、一度不動産買取業者に相談してみると良いでしょう。

不動産買取は、一般消費者から見ると「需要がなさそう…」と思うような物件でも、思わぬ高値で売却できることもあります。

メリット② 現金化が早い

不動産買取の大きなメリットとしてよく挙げられるのが、「とにかく現金化が早い!」というポイントです。不動産買取では、不動産会社が提示する査定額に納得できれば、最短3日程度で現金化が完了すると言われるほどのスピード感を誇ります。仲介による売却の場合、販売活動用の資料作成や内覧、買主との価格交渉などが必要なため、最短でも数カ月かかる取引になります。それが買取の場合は、最長でも1カ月はかからないと言われていますので、何らかの理由で「早く現金にしたい」とお考えの方には非常に大きなメリットになります。

例えば、離婚や相続などですぐに現金が欲しいという場合や、転勤などですぐに引っ越すから販売活動に時間がかけられない、新居の購入スケジュールが決まっているなど、家の売却に期限があるような方は不動産買取がオススメです。

メリット③ 売却活動の手間が無い

不動産買取は、買取業者に売却を考えている家の訪問査定を一度受けるだけで取引が完了する場合もあります。要は、売主側は、売却活動に要する手間が一切ないのです。

仲介に関しても「販売活動は不動産会社がするのでは?」と考えるかもしれませんが、売主側も販売活動への協力はたくさんしなければいけません。例えば、ネット上に物件の広告を掲載する際、魅力的な物件写真を撮影するためには、キレイにお掃除する必要があります。当然、撮影するためには立会いも必要です。さらに、物件の購入希望者が出てきた場合には、内覧に付き合う必要がありますし、近所に住む人の情報や生活のしやすさなどの意見もきちんと伝えなければいけないのです。つまり、仲介によって家の売却を進める場合は、売主側もかなりの労力が必要になるわけです。当然、最初の購入希望者に売れるとは限りませんし、売れるまでさまざまな作業に従事する必要があり、途中で嫌になってしまう…なんて方も多いのです。

不動産買取の場合、こういった煩わしい作業が一切必要なく、スピーディーに取り引きが完了する点がメリットです。

メリット④ 仲介手数料が必要ない

仲介によって家の売却を行った場合、自分と買主の仲介をしてくれた不動産会社に仲介手数料を支払わなければいけません。不動産売買は、非常に大きなお金が動きますので、この仲介手数料もかなりの金額になるのです。

しかし、不動産買取の場合、一般消費者との橋渡しをする仲介の場面がありませんし、家の売却が完了したとしても、仲介手数料を支払う必要がないのです。これは仲介と比較した場合の非常に大きなメリットになると思いますよ。

メリット⑤ 売却後も安心!

最後は、不動産会社に直接家を売却するという取引になることから、家の売却後に『売主責任(瑕疵担保責任)』を問われる心配がないというメリットです。

仲介による売却の場合、目に見えない部分の瑕疵が後から見つかった場合、その責任を売主が問われてしまいます。例えば、目に見えない位置でシロアリが繁殖していた…、実は雨漏りしていて屋根裏がカビだらけだった…などという場合、その修理にかかる費用を売主が受け持たなければならなかったり、最悪の場合、契約破棄の可能性まであるのです。こういった売却後のリスクは瑕疵担保責任と記憶している人が多いですが、現在は、「契約不適合責任」と呼ばれる制度になっており、契約書に記載されていない不具合があった場合、その責任をとらなければいけないといった感じで考えておきましょう。

不動産会社に直接買取してもらう場合は、この契約不適合責任を問われる心配がなく、売却が完了すれば、もう心配不用という点が大きなメリットです。

デメリット面もおさえておかなければいけない!

ここまでの情報だけを見れば、家を売る時には、仲介に出すのではなく、買取の方が圧倒的に良いのでは…と考えてしまいますよね。しかし、当然、不動産買取にもデメリットというものは存在していますので、盲目的に「家を売るなら不動産買取が正解!」とは考えないでください。

不動産買取について、仲介と比較した場合のデメリットは、最終的な売却価格が安くなってしまう…という点です。上述したように、不動産買取業者は、買取した家をリフォームするなりして再販し、その差額で利益を出すことが目的になっています。したがって、不動産買取業者が提示する買取査定額は、リフォームにかかるコストなどがあらかじめ差し引かれて計算されるため、仲介での市場価格よりも1~3割程度安くなってしまうと言われているのです。

不動産買取業者は、慈善団体ではなく、あくまでも営利団体ですので、不動産の取り引きで利益を出さなければならないという前提条件があります。したがって、何よりも「高く売る!」ということを目標にしているという方にはあまり適さない売却方法だと考えておきましょう。

『買取』が適している家の条件とは?

ここまでで、不動産買取という手法が売主にとって「どんな魅力があるのか?」がわかっていただけたと思います。それでは、仲介を依頼するのではなく、不動産買取業者に相談したほうが良いと言える家の条件についてもご紹介していきたいと思います。

仲介による家の売却は、一般的に言われている「人気物件の条件」を満たしていなければ、なかなか買い手を見つけることができずに、家の価値がどんどん下がってしまう…なんてリスクがあります。最悪の場合、買い手を探している間に大きな災害が発生し、家が被災してしまってとても売れる状態じゃなくなってしまう…なんてことも考えられますよね。

こういったリスクを避けるためには「なかなか買い手が付かない…」と考えられるような物件は、買取業者に相談するという方法なのですが、それでは、どういった条件を持つ物件は買取業者に相談すべきなのでしょうか?

①築年数が経過した物件

「土地+建物」といった形で家の売却を進める場合、築年数が古ければ古いほど仲介での売却は難しくなります。そもそも、日本という国は、諸外国と比較しても新築の人気が非常に高く、中古物件であれば築浅物件を探す人がほとんどです。実際に、木造住宅の法定耐用年数は22年とされており、築20年を過ぎれば建物の価値はほぼゼロにまで落ちてしまうものなのです。
つまり、築年数が経過してしまっている古い住宅の売却は、買い手を見つけるのが非常に難しい時代ですので、最初から『買取』による売却を検討するのがオススメです。古くても、定期的なメンテナンスを欠かさずに行っており、キレイな外観を保っているなんて住宅は仲介でも売却できる可能性はあります。ただし、その場合でも、家の状態をしっかりと把握するための『住宅診断(ホームインスペクション)』が必要ですので、売却に手間がかかります。

②整形地ではない物件

仲介での売却を考えた場合、土地が綺麗な形をしていない…という『不整形地』は、市場に出しても、そう簡単に買い手を見つける事ができないと言われています。
家の購入を考える方の多くは、長方形や正方形など、整った土地形状を探している方がほとんどです。そのため、売却を検討している家が不整形地であるという場合は、不動産買取業者に相談するのがオススメです。

③立地や住環境があまり良くないと判断される物件

戸建て住宅の場合、「駅近かどうか?」はそこまで重視されないと言われますが、それでも近ければ近いほど買い手が付きやすいのは間違いありません。その他の立地条件としては、家の周辺に学校や病院、日常生活に必要不可欠な施設(スーパーなど)があるかどうかなどが気にされ、こういった施設が揃っていない場合、「住みにくい家」と判断され買い手がなかなかつかないのです。他にも、近年では、お子様を遊ばせることができる公園があるか、散歩用の道があるかなども気にする方が多いと言われています。

家を購入する方は、誰でも実際に住み始めた時の「住みやすさ」「便利さ」は非常に重視したいという気持ちがありますので、そういった環境が整っていないのでは…と考えられる物件は、不動産買取に相談するのがおすすめです。

④災害警戒区域内の物件

日本は、昔から地震や台風などの自然災害が多い国として有名ですね。さらにここにきて、近年では、夏場の豪雨による水害が頻発するようになっており、家を購入する時には、ほとんどの方がハザードマップを確認し、物件の安全性をきちんと判断してから購入するものです。

そしてハザードマップ上の災害警戒区域と呼ばれる地域に関しては、要するに台風や大雨などがあった時には「災害によって何らかの被害がある可能性」を示唆しているのです。つまり、この地域内に含まれている物件に関しては、災害が急増している現在、将来的に何があるのか分からない…という判断から、仲介に出しても買い手が全くつかない…可能性があります。

⑤前面道路に問題がある場合

最後は、前面道路に何らかの問題があると判断される場合です。家のそのものは、築年数も浅く、キレイな物件だとしても、前面道路の幅員が狭い…、前面道路が私道になっているなんて場合、買い手が非常につきにくいと考えましょう。

前面道路の問題点は、以前『「家が売れない…」とお悩みの方へ!立地条件やニーズが原因なら仲介は諦めた方が良いかも!』という記事内でご紹介していますので、そちらをご参照ください。こういった家は、仲介に出してもなかなか買い手が付かずに、無駄に時間だけが過ぎてしまう結果になる恐れがあるため、不動産買取に相談するのがオススメです。

まとめ

今回は、家の売却を検討している方のため、仲介ではなく、不動産買取に相談したほうが良いと考えられる家の条件をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、不動産買取は、仲介ではなかなか買い手を見つけることができないような家でも素早く売却を完了できるという点が大きなメリットです。

そもそも、新築の人気が非常に高い日本ででは、相当条件の良い物件でなければ、中古住宅の売却は非常に難しいものです。そして、家の価値は時間が経過するにつれて下がっていくものですので、のんびりと買い手を待っているだけでは、確実に損になってしまうのです。

不動産買取は、仲介よりも売却価格が安くなるという点がデメリットとされていますが、仲介に出して買い手が見つからずに時間だけが過ぎた場合、最初から買取に出した方が得だった…なんてことも考えられますよ。自分の家が仲介でも買い手が付きそうかどうかは、売却前から分かっているはずですので、ひいき目に考えるのではなく、「難しそうだな…」と感じたら買取業者に相談するのがオススメですよ!