家の売却を考えているけれど売却相場がわからない!自分の家の売却相場を知るための方法について!

マイホームの売却を考えた時には、家が売れるかどうかを考えるのではなく、売れることを前提として「いくらぐらいの値が付くのかな?」という点を気にする方がほとんどだと思います。誰でも、大切なマイホームに買い手すらつかない…なんて状況はイメージできず、「どうせ売るならできるだけ高く売りたい!」と考えるからです。ただし、最初に言っておきますが、中古住宅は、仲介に出せば必ず買い手が付くというものではなく、売りに出してもなかなか内覧希望すら入ってこない…なんてケースも珍しくありません。そういった場合でも、不動産買取業者に相談すれば、家の売却自体は可能だと思います。しかし、買取の場合は、「相場よりも1~3割程度安くなる」という話をよく耳にすると思います。

ここで皆さんが気になるのは、「相場よりも」という部分で、そもそも自分の家の売却相場というものがいくらぐらいなのかがさっぱり分からず、最終的な売却価格の予想すらつかない…なんて方が多いですね。ちなみに、仲介の場合でも、不動産会社が提示する査定価格が「相場とかけ離れていないか?」自分で判断しないといけませんので、自分の家の相場はある程度掴んでから売却活動を始めるべきだと考えてください。

そこでこの記事で、「自分の家の売却価格が想像つかない…」という方に向け、ある程度の相場を調べるための方法をいくつかご紹介していきたいと思います。

自宅の売却相場を調べる方法について

ここではまず、戸建ての売却相場を調べるための手法をいくつかご紹介していきます。家の売却相場は、エリアや築年数、立地条件など、複数の要素が複雑に影響しあいます。そのため、同じような物件でも「意外と成約価格に差があるのだな…」と思うような場合も少なくありません。しかし、自宅の売却相場を知るためには、自宅と同じような条件の家が、直近でいくらぐらいの値が付いているのかを調べることである程度予想することが可能です。

ここでは、自宅の売却相場を比較的簡単に予想するための方法をいくつかご紹介していきますので、複数の方法で価格を調べておけば「だいたいこれぐらいで売れるかな?」という相場を掴むことができると思います。

レインズ マーケットインフォメーションを使う

まずは「レインズ マーケットインフォメーション」という情報サイトで調べるという方法です。レインズという言葉ぐらいは耳にしたことがあると思うのですが、これは国土交通省から指定を受けた不動産流通機構が運営しているネットワークシステムとなります。基本的には、不動産会社など、プロが情報を交換するための専門サイトで、一般消費者にとっては関係のないサイトになります。

このレインズには、全国の不動産会社が、顧客から依頼された売買情報を掲載するようになっており、成約された場合には成約価格も登録することとなっています。ちなみに、不動産会社が、物件の相場価格を検討する時にも、このレインズの情報を調べて参考にするぐらいですので、非常に信頼性の高い情報が掲載されていると考えて良いです。

このレインズに関しては、上述のように、基本的にはプロが使用するサイトで、成約前の不動産情報については不動産会社しか見ることができません。ただし、レインズのサイト内にある「レインズ マーケットインフォメーション」は一般の方でも閲覧することができるのです。「レインズ マーケットインフォメーション」には、過去1年以内の成約済み物件情報が掲載されていて、自分の家と似たような家がどの程度の価格で売れているのかを知る事ができるわけです。

なお、自分の家の売却相場を調べるのに「レインズ マーケットインフォメーション」が有効なのは、使い勝手も良いという点です。というのも、「レインズ マーケットインフォメーション」では、13項目もの選択条件を使って物件を絞り込むことが可能なので、より自分の家に近い物件の成約価格をピンポイントで探すことができるわけです。「レインズ マーケットインフォメーション」の選択項目は以下のような感じです。

都道府県と市町村の他、以下のような項目で絞り込むことが可能です。

  • 地域詳細
  • 沿線・最寄り駅
  • 駅からの距離
  • 土地面積
  • 建物面積
  • 間取り
  • 築年数
  • 成約時期
  • 用途地域
  • 価格

家の売却を考えた時には、類似物件の成約価格を調べて相場を掴んでおきましょう。

参考:レインズ マーケットインフォメーション

自動シミュレーションを使う

近年では、AIを使って不動産相場を調べる自動シミュレーションシステムなども登場しています。こういったものは、過去に売買が成立した膨大な取引データをベースに参考価格を算出するというものになっています。調べ方としては、ネットで自動シミュレーションサイトを検索すれば、いくつか表示されますので、任意のサイトで調べてみると良いでしょう。一般的に、以下のような項目を埋めることで、相場を算出してくれます。

  • 郵便番号
  • 都道府県
  • 町名番地など
  • おおよその築年
  • おおよその延べ床面積
  • おおよその土地面積
  • 建物の構造(木造2×4など選択式)
  • 生活・リース・空室の選択

物件相場の算出に必要な情報は、サイトごとに異なりますので、上記以外にも何らかの情報を埋めなければならない場合もあると思います。
最近では、サイトに会員登録しておき、物件情報を登録しておくことで、1週間や1カ月単位の市況に合わせた相場価格を自動で更新してくれるようなサイトも登場しています。さらに、価格に納得できれば、シミュレーションサイトから不動産の売却相談をそのまま申し込むこともできるようなシステムがあります。

なお、シミュレーションサイトは、膨大なデータからAIを使って自動計算して相場を算出します。つまり、サイトを運営している業者が保有しているデータがベースになることから、複数のサイトで試してみると全く異なる相場価格が出るなんてことも考えられます。要は、本来の相場とはかけ離れた価格が算出されてしまうこともあるということです。

非常に簡単に相場が算出できる手法ですが、その価格の信頼性はそこまで高くないの点がデメリットです。

不動産ポータルサイトで調べる

不動産ポータルサイトは、民間企業などが運営している不動産売買向けの総合サイトのことです。例えば、SUUMOやホームズなどであれば、皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。こういったサイトでは、戸建ての売却相場を調べるページなどを用意しており、都道府県別に市況に合わせたおおよその相場を表示してくれています。

ちなみに。価格については、その都道府県で行われた売買全体の中央値をもとに算出していますので、あなたの家と全く同じ条件の価格を知ることは難しいと考えておきましょう。こういったサイト分かる相場は「この程度の広さなら、今いくらぐらいで売れている」というかなり大雑把な価格目安です。

参考サイト:SUUMO「全国の一戸建て売却価格相場

不動産一括査定サイトを利用する

これは、大まかな査定になりますが、自分で価格を予想するのではなく、プロに各種条件から家の価格を査定してもらうという方法になります。つまり、ある程度、確度の高い売却相場が判明すると考えても良いでしょう。

近年では、不動産の査定に関わらず、さまざまな業界で活用されている手法が、「一括査定」というものです。これは、サイトが用意している査定に必要な情報を記載するフォームにて、各情報を埋めて送信するだけで、複数の不動産会社から簡易査定結果を貰えるという手法になります。普通にプロの不動産会社に査定を依頼する場合、何社もの不動産会社とやり取りしなくてはいけないので、その手間が面倒くさくていやだ…と考えてしまう方が多いです。これが、一括査定サイトであれば、一度フォームの情報を埋めるだけで、最大10社程度の不動産会社から簡易の査定結果を受け取ることが可能なのです。

なお、不動産一括査定サイトが提示する査定価格は、フォームなどで送信した情報のみで考えた簡易的な査定価格になります。詳細な査定額を知りたい場合は、簡易査定を提示してくれた業者からいくつかを選別し、改めて訪問査定を依頼するという形になります。なお、訪問査定までになると本格的な家の売却活動に入っていると考えても構いません。

注意が必要なのは、不動産一括サイトはかなりの数のサイトが登場しており、安心して使えるサイトをきちんと選ばなければならないという点です。中には、軽い気持ちで査定依頼を出しただけなのに、しつこく営業電話がかかってきて迷惑してしまう…なんてこともあると言われていますので、査定依頼を出す前にしっかりした運営会社が付いているのかをきちんと調べておきましょう。

売却相場を調べる時の注意点

それでは、ご自身で家の売却相場を調べる時の注意点についても簡単にご紹介しておきましょう。

時期によって相場が変わる

不動産業界にも繁忙期というものが存在しており、時期によって売却相場は変わります。一般的に、不動産会社が提示する不動産の売却相場に関しては、査定の依頼を受けてから3カ月後ぐらいまでを想定して値段を提示します。つまり、プロによる査定に関しても、繁忙期をズレている場合は、安くなってしまう可能性があるのです。
不動産業界の繁忙期は以下の2回ですので頭に入れておきましょう。

■繁忙期①:1~3月
これは有名ですね。4月の新年度に向けて、転勤や引っ越しが集中する時期となります。基本的に、4月の入社や入学、転勤などに間に合うよう、3月内に移動ができるよう動くので、不動産業界の繁忙期は、3月中頃までが一般的です。
■繁忙期②:9~10月
この時期は、辞令による転勤があったり、夏のボーナス後の転職などが多い時期です。どちらかというと、賃貸市場の動きが活発になるイメージですが、売買市場も閑散期よりは活発になります。

家をスムーズに売却したいと考える場合、上記のような「住み替え」を検討する方が増加する時期がオススメです。なお、実際に売却活動を始めるには、さまざまな準備が必要になりますので、1~2か月前までに準備をあらかた済ませておくのがオススメです。

正確な相場を知りたいなら訪問査定がオススメ

すぐに家を売るつもりがないけれど、売却相場を知りたい…という場合であれば、上述したように自分で成約価格などを調べて売却相場を『予想』するという方法が手間がないと思います。しかし、この手段でわかる相場というのは、あくまでも過去の結果をもとに出した、類似物件の予想売却価格であり、実際の物件とはかけ離れた価格になってしまう恐れもあるのです。家の価格は、さまざまな要素が関係してきますし、大まかなポイントで絞り込んだだけでは、正直『類似物件』とまでは言えないのが実情です。

そこで、ある程度正確性の高い価格を知りたいという方は、不動産会社に訪問査定を依頼するのがオススメです。「すぐに売るわけではないから訪問までは…」とちょっと腰が引けてしまう方もいますが、訪問査定であれば最も適正な売却相場を知ることができます。

不動産会社の訪問査定は、家の立地条件や築年数などの表面的な情報だけでなく、その時点での市況や細かな傷などまで確認して価格提示を行います。場合によっては、不動産会社の査定額が売却価格にそのままなったりすることもあるほど確度の高い情報を得ることができます。
なお、訪問査定などを受ける時には、1社だけに依頼するのではなく、最低3社程度の不動産会社に査定を依頼して比較しておくのがオススメです。

まとめ

今回は、自宅の売却相場を調べる方法についていくつかの手法をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、家の売却を考えた時には、「いくらぐらいの値が付くのか?」と言った事が気になると思うのですが、売却相場については、ネットで類似物件がいくらぐらいで成約しているのかを調べれば、ある程度の予想を建てることは可能です。しかし、レインズや不動産情報サイトなどの価格をもとに予想するという方法は、実際の家の状態や自分が売却活動を行う時の市況などが反映されていませんので、予想以上にかけ離れた価格になってしまうことも少なくありません。

もしあなたが、ある程度信頼性の高い売却相場を調べてみたいという場合には、不動産会社の訪問査定を受けなければ分からないと考えておいた方が良いですよ。なお、不動産会社も査定するポイントなどが微妙に異なりますので、いくつかの業者に訪問査定してもらい、その価格を比較するというのが最も相場に近い価格になると思います。