不動産売却の最初の一歩!不動産の売り出し価格ってどうやって決めているの?

今回は、大切なマイホームの売却を決めた方にむけて、家の売り出し価格の決め方についてご紹介した行きたいと思います。なお、弊社のような不動産買取に出す場合であれば、この記事でご紹介するような面倒な手続きは必要ありませんが、思い入れのあるマイホームの売却であれば『仲介』によってできるだけ高く売りたいと考える物だと思います。その場合は、慎重に売り出し価格を決定しなければ、なかなか買い手が付かない…と困っている間に、家の価値がどんどん下がっていってしまう…なんてことになります。正直な話、仲介による家の売却で最も重要とも言えるステップが、この記事でご紹介する「売り出し価格の決定」ですので、どのようにして決めれば良いのかは絶対に押さえておきましょう。

家の売却を決めたとしても、一般の方であれば、「自分の家の価値」がさっぱり分からなくて、いくらぐらいで売却できるのか不安に思ってしまうことでしょう。「売り出し価格なんて不動産会社に決めてもらえば良い!」と思うかもしれませんが、不動産会社の中には「とりあえず媒介契約を結んでもらうため!」と考えて、売れもしない高額査定を提示してきたりする場合もあり、その手に引っかかってしまうと、売りに出しても内覧希望すら入ってこない…なんてことになりかねないのです。仲介による家の売却は、適正価格で売りに出すということが何よりも重要ですので、どのようにして売り出し価格を決めていくのかはしっかりと押さえておきましょう。

この記事では、売り出し価格の決め方や、それを決める時に注意しておきたいポイントをいくつかご紹介していきます。

そもそも家の『売り出し価格』とは?

それではまず、不動産の『売り出し価格』とは?と言った基本的な部分について解説していきたいと思います。家を売却する際、最終的な価格というのは売主と買主の交渉によって決定するもので、必ずしも売りに出した時の価格と一致するわけではありません。さらに、仲介してもらう不動産会社が提示してくる査定価格とも一致するわけでもないので、「いったいどういった価格なのだ?」といった点に疑問を持つ方もいます。

ここではまず、不動産売却に登場するさまざまな価格と売り出し価格の違いなどを簡単に解説しておきます。

「売りに出す価格」が売り出し価格

冒頭でご紹介したように、思い入れのあるマイホームを売却する際には、誰もが「できるだけ高く売りたい!」と考えるものです。しかし、不動産会社が提示してくれる査定価格と売主の売却希望価格は、なかなか一致するようなことはありません。不動産の価格は、その時の景気なども関係してきますし、市場価格と売主さんの希望などを加味しながら慎重に決定するものなのです。

極端な話をすれば『売り出し価格』については、売主さんが希望する価格を自由につけても構わないものです。ただし、市場価格とかけ離れていては売れるわけはありませんし、安くし過ぎてしまうと損してしまうのです。そのため、不動産会社が提示してくる査定価格を参考に、最終的に市場に出す価格を決めるという流れになり、この市場に出す価格が『売り出し価格』です

その他の価格との違いは?

不動産売買の流れ上には、「売り出し価格」以外にも『査定価格』や『成約価格』なるものが登場します。それでは、売り出し価格とこれらの価格は何が違うのでしょうか?以下で簡単にご紹介しておきます。

査定価格との違い
査定価格は、「その物件がいくらなら買い手が付くのか?」を不動産会社が提示する価格です。直近の不動産売買状況から、3ヶ月以内に売れると考えられる価格を提示するのが基本です。
一般的には、売ろうと考えている物件の周辺にある類似物件の直近の成約価格をもとに算出します。ただし、売却する家の状態や築年数、間取りや向きなどは、物件によって異なりますので、立地と敷地面積などが一致していたとしても価格はかなりの差が出るなんてことも普通にあります。家の価格は、その物件を総合的に判断し、不動産市況(競合物件の多さ、エリアの人気、物件のタイプ)などから価格を算出することになり、これが査定価格です。
つまり、査定価格とは、あなたの売却希望額を加味していない状態の不動産会社が「売れる!」と判断する価格です。要は、市場価値と考えれば良いですね。
成約価格とは
これは分かりやすいですね。売主と買主双方が納得し、最終的に売買が成立した価格が成約価格です。売り出し価格とほぼ同じ価格で成約することもあれば、交渉されて希望価格よりも低くなることもあります。
仲介によって家を売る場合、ほとんどの場合、価格交渉をされてしまうことになります。交渉に乗るか乗らないかは売主の自由なのですが、焦って値下げに同意しないよう、自分の不動産と近しい物件がいくらぐらいで売れているのか、直近の情報を調べておくと良いでしょう。それを理解しておけば、無理な交渉かどうかが良くわかります。
成約価格との違いは、メーカー小売り希望価格と、実際の売値の違いみたいなものです。

『売り出し価格』の決め方

それでは、実際に家の売り出し価格を決める手順について解説していきましょう。ここまでの説明で分かるように、売り出し価格は、売主の希望通りに自由に決められるようなものではなく、さまざまな要素を加味しながら適正な価格を判断しなければいけないのです。自分も納得できる価格なうえ、買い手がきちんとつく絶妙な売り出し価格にするためには、慎重に判断しなければならないステップになると考えてください。

STEP1 自分の売却希望額を決める

まずは、「これぐらいの価格で売りたい!」という自分の希望売却価格を決めましょう。この価格がないと、売り出し価格を決める根拠がなくなってしまいますので、不動産会社と話し合いをする前には、きちんと自分の希望価格を決めておきましょう。

希望価格を決める際には、まず最初にローンの残債が残っているかどうかを確認し、残債があるのであれば、売却額で残債が完済できるような価格設定を目指すと良いでしょう。一般的に、自分の売却希望額を決める時の判断基準は、以下のようなポイントを考える方が多いです。

  • ローンの残債を完済できるような価格
  • 新しい家の購入を考えているため、頭金程度の利益は出したい

STEP2 希望価格が市場価格的に適正か確認する

自分の売却希望額を決めたら、その価格が市場相場と比較して適正なのかどうかを確認しましょう。

売却を考えている物件と似た条件の物件が実際にどの程度の価格で売られているのかを確認すれば、自分が決めた売却希望額が市場価格とどれだけ差があるのかが分かります。比較した結果、市場価格とそこまで差がないというのであれば問題ありませんが、あまりに希望額よりも高い価格になっている場合、買い手が付かずに売却活動が長期化してしまう恐れがあります。したがって、市場相場と大きくズレている場合、自分の希望額を見直した方が良いです。

市場相場を調べる方法は、物件情報サイトなどで、近隣物件がいくらで売られているかを確認する、地価情報がわかる公的サイトで確認するなどの方法があります。

STEP3 不動産会社に査定を依頼する

市場価格などを加味した自分の売却希望額が決定すれば、不動産会社に査定依頼をしましょう。なお、不動産会社にも得手不得手や査定基準の違いがありますので、査定結果には必ず差が生じます。したがって、査定依頼は1社だけに依頼するのではなく、最低3社程度に依頼して、適正な価格を見極めるのが重要です。

そして、不動産会社が提示してくれた査定額と、自分の希望額から売り出し価格を決定するという流れになります。

『売り出し価格』を決める時のポイント

それでは最後に、最終的に売り出し価格を決定する際に押さえておきたい、いくつかのポイントについてもご紹介しておきます。上述したように、不動産の売買では、売り出し価格がそのまま成約価格になる…なんてことは少ないです。したがって、売却活動をできるだけ短くするためには、『売るための価格』というのも想定しておかなければ、売却活動が長期化してしまう恐れがあるのです。

最低売却価格も決めておく

売り出し価格を決める時には、同時に売却する最低ラインの価格も決めておくのがオススメです。

上述しているように、不動産の売却を行う時には、必ず値下げ交渉が行われるものです。いくら自分の都合で「この価格で売りたい」と決めていたとしても、その価格で買い手がいないのであれば、下げざるを得ないわけです。しかし、値下げするにしても、最低ラインをあらかじめ決めておかなければ、「早く売りたい」「この買い手を逃すと次がいないのでは?」などと言った感じに焦りが生じてしまい、不必要なまでの値下げに応じてしまう…なんて残念な結果を招いてしまう恐れがあるのです。そのようなことになってしまうと、家を売ったのに、ローンが残ってしまう…なんてことも考えられますよね。

家の売却は、自分たちの資金計画もきちんと加味したうえで、最低ラインの売却価格を決めておかなければ、損をしてしまうリスクが残ってしまうと考えましょう。

「交渉される!」ことを前提に価格設定しよう

何度も言いますが、不動産売却では、価格交渉を必ずされます。正直な話、市場相場通りの価格で売りに出したとしても、買い手側にも「価格交渉に乗ってくれるものだ」というイメージがあることから、値下げに応じないという態度では適正価格なのに売買が成立しなくなってしまう…なんてことが考えられるわけです。

したがって、売り出し価格を決める時には、「値下げ交渉は必ずされる!」ということを前提にして価格設定しておくのがオススメです。そうすれば、交渉されたときに、買主の希望にある程度寄り添ったという形をとった上で、自分の売却希望額に近い価格で売り抜けるので、両者が気持ちよく売買を完結させることができるでしょう。

「早く売る?」「高く売る?」優先順位をつけておく

家の売却を検討している方でも、「少々時間がかかっても可能な限り高く買ってくれる人を探したい!」という方もいれば、「転勤が決まってできるだけ早く家を手放したい!」というケースなど、売主によってその事情は大きく異なります。

もちろん、どちらの要素も重視したいポイントではあるのですが、不動産売却を進めるうえで「早く高く売る」というのは非常に難しい事です。したがって、家を売りに出す前にどちらの条件を優先したいのかをしっかりと決めておき、計画的に家の売却活動を行っていくようにしましょう。

まとめ

今回は、家の売却を考えた際、「いくらで売りに出すのか?」という売り出し価格の決め方についてご紹介してきました。中古住宅の価格は、さまざまな要素が関係してくるもので、プロの不動産会社が査定しても同じ価格が出てくることが無いような業界です。そのため、家を売ると決めた時には「いくらで売り出せば買い手が付くのか分からない…」という最初のステップで躓いてしまう方が非常に多いです。

この記事でご紹介した流れで考えても、自分の希望売却額をきちんと決められない…と言った感じに、最初のステップで躓いてしまい、不動産会社に丸投げしていつまでたっても買い手が付かない…なんてことになる方も非常に多いのです。仲介による売却というのは、一般消費者が対象となる売買活動ですので、相手側も市場相場を理解せずに、自分たちの希望を優先しがちという点が、より売却活動を難しくするのだと思います。

こういった、家の売却活動のわずらわしさが嫌だな…と思うのであれば、不動産会社に家を直接買い取ってもらう『買取』という手法で家の売却を目指すのがオススメです。不動産買取であれば、市場相場をある程度掴んでおき、後は不動産会社が提示する買取査定額を比較すれば良いだけです。買取業者は、物件をリフォームするなりして再販をすることが目的ですので、リフォーム費用などを差し引いて査定額を提示しますので、市場相場よりも1~3割程度は安くなってしまいます。しかし、仲介での売却も市場価格通りで売り抜けることなど非常に少ないですし、内覧や不動産会社との打ち合わせなど、さまざまな手間がかかるうえに売却後の仲介手数料の支払いなど、決して仲介の方が得するというわけではないのです。

買取であれば、最短3日程度で売買が完了しますし、「早く売りたい」という方にとってはこれほどありがたい手段はないと思いますよ!