空き家の売却はすぐに着手した方が良い!早く売却したほうが良い理由をご紹介!

少子高齢化や人口減少が社会問題となっている日本では、放置空き家問題が深刻化していると言われています。実際にこの記事を読んでいただいている方の中にも、

  • 親が住んでいた実家を相続したけど、遠方に住んでいるし活用できない…
  • 別荘があるけれど、行く機会がなくなり何年も空き家になっている…

などといった悩みを持っている方も少なく無いのではないでしょうか?実は、空き家問題が深刻化しており、誰も住んでいない家が余っている状況でも、新築住宅はどんどん建っていっており、今後の日本では誰もがいつ空き家の取り扱いに困ってしまうか分からない…なんて時代がやってくると予想されています。

もしあなたが、相続などで空き家を手に入れた場合、その家に住まないのであれば「速やかに売却すべき!」だと考えた方が良いと思います。家というものは、そこに存在するだけでどんどん劣化が進んでしまいますし、活用せずに持っているだけでも、さまざまな経費が掛かってしまうものです。つまり、「空き家の取り扱い」に悩む時間が長くなれば、それだけ家の価値が下がってしまい、さらに無駄なお金も出て行ってしまうということです。

この記事では、皆さんが空き家を手に入れた際、「速やかに売却した用が良い!」という事実について、その理由を分かりやすくご紹介していきます。

代表的な空き家の取り扱い方法とは?

親が住んでいた実家などを相続した場合でも、既に遠く離れた場所に自分の家を持っているという場合、その取扱いに悩んでしまう…なんて方が増えています。思い出のある家ですし、有効活用したいと考えるものの、自分で住むわけにもいかない…となると、その取扱いに困ってしまう訳です。

こういった場合には、空き家の取り扱い方法として、大きく分けて『売却』『無償譲渡』『有効活用』という3つの手法が考えられます。基本的には、売却を選択する方が多いのですが、ここでは簡単にそれぞれの取り扱い方法について、メリット・デメリットをご紹介しておきます。

空き家を売却する場合のメリット・デメリット

空き家の処分方法として、最も一般的な手法が「売却する」という方法です。ただし、一口に売却すると言っても「①そのまま売却する」「②更地にして売却する」「③リフォームして売却する」「不動産会社に買取してもらう」など、いくつかのパターンが存在します。これは、建物が古くてかなり劣化している…なんて場合は、買い手が付きにくく解体したほうが早く・高く売れるなんて場合があるからです。
『売却』によって空き家を処分する場合のメリット・デメリットは以下のような感じです。

■売却のメリット

  • 買い手が見つかればまとまったお金が手に入る
  • その後の管理の手間が無くなる
  • 税金などの維持コストがかからなくなる
■売却のデメリット

  • 家が古い、立地が悪いなどといった場合、買い手が見つからない場合がある
  • 売れない期間も劣化が進行する
  • 得られたかもしれない利益がなくなる

無償譲渡する場合のメリット・デメリット

次は、第三者に無償で譲渡するという手法です。これは、売却を試みたものの、買い手が全くつかない…なんて場合に検討される手法となります。「売れなくても所有していれば良いのでは?」と思うかもしれませんが、誰も住んでいない空き家だとしても、その不動産の所有者には管理義務というものが発生してしまいますし、持っているだけでも固定資産税などの税金がかかってしまうのです。
例えば、遠方に住んでいて、空き家の管理が何もできていない…といった場合、家が朽ちて屋根材が落下し、近隣住民に怪我をさせる…なんてリスクが生じます。そして、このような場合には、空き家の所有者が「管理義務を怠った」と判断され、損害賠償を請求されてしまう訳です。空き家問題が深刻化している現在では、空き家所有者の管理責任が厳しく問われるようになっていますし、「遠方に住んでいるから…」などといった理由で放置することはできません。なお、空き家の管理ができておらず、自治体から「特定空き家」に位置付けられてしまうと、固定資産税などが高くなり、金銭的な負担も大きくなります。

■無償譲渡のメリット

  • 無償での譲渡ですので、成約しやすい
  • 売却益はないのですが、早期に手放せるので、維持費や税金の負担が少なくなる
  • 空き家の管理に関わる手間がなくなる
■無償譲渡のデメリット

  • 売却ではないため、お金が手に入らない
  • 得られたかもしれない利益がなくなる

関連記事:日本の空き家問題が深刻化!そもそも空き家は所有者にもさまざまなリスクが存在します!

有効活用する場合のメリット・デメリット

最後は、賃貸アパートなどに建替えたり、建物を解体して駐車場にしたりして、有効活用するという手法です。最近では、個人で不動産投資をする方も増えていますので、空き家を手に入れた時には、まず「有効活用できるかな?」と考えてしまう方が多いことでしょう。
賃貸経営が上手くいけば、家賃収入などで新たな収入源を確保することができます。ただし、空き家を有効活用するためには、立地条件などが非常に重要ですし、経営ノウハウも必要になります。賃貸経営は、「土地があるからできる!」なんて安易に考えない方が良いですよ。

■有効活用のメリット

  • 家賃収入など、持続的な収入源になる
  • 資産を保持することができる
■有効活用のデメリット

  • 賃貸住宅に建て替える場合、多額のローンを組むことになる
  • 必ず借り手が付く保証などはなく、赤字経営になってしまうリスクがある
  • 空き家の管理にかかる手間はなくなりますが、確定申告など、賃貸経営にかかる別の手間が増える

空き家の取り扱いに関しては、上記のようにいくつかのパターンが考えられます。可能であれば「有効活用して継続的な収入源にしたい…」と考えるかもしれませんが、相当に立地が良く無ければかなり厳しいと考えておいた方が良いですよ。今後の日本は、どんどん人口減少が進むと予想されているわけですので、田舎の実家を相続した…という場合、そこを収益物件にする…というのはあまり現実的ではないかもしれませんね。

空き家の処分は速やかに行った方が良い理由

それではここから、空き家の取り扱いについて、速やかに処分に着手したほうが良い理由についてご紹介していきましょう。相続などで実家を手に入れた場合には「将来的に値上がりするかもしれないし…」「有効活用できるかもしれないし…」などといった理由で、しばらく放置していよう…などと考えてしまう方もいます。しかし、明確な理由がないのであれば、こういった考えは改めた方が良いです。

不動産買取の専門家からすると、使わない空き家を所有しているのであれば「今すぐにでも処分に取り掛かった方が良い!」と断言できます。それには、以下のような理由があるからです。

理由① 持っているだけでそれなりのお金がかかるから

誰も住まない…、有効活用もしない…などといった空き家は、持っているだけでお金がかかってしまう「金食い虫」などと揶揄されることもあります。計算してみればすぐにわかるのですが、空き家は保有しているだけで、かなりのお金がかかってしまうものです。以下に、空き家の保有時にかかってくる代表的なお金をご紹介しておきます。

■空き家を持っているだけでかかるお金

  1. 固定資産税⇒物件によりますが、おおよそ「10~15万円/年」程度が目安となります
  2. 光熱費⇒管理のために電気や水道を解約していなければ、料金がかかります。
  3. メンテナンス費⇒定期的な建物の修繕費、業者に管理を依頼する場合は月に1万円程度の管理費がかかります。マンションであれば、管理費や修繕積立費が毎月かかります。
  4. 火災保険・地震保険⇒保険をかけている場合は、毎年保険料がかかります。
  5. 交通費⇒自分で管理する場合、管理の度に交通費がかかります

このように、空き家は保有しているだけでかなりのコストが発生してしまうものなのです。特に金額が大きいのは、固定資産税で、戸建て住宅の場合は、毎年10~15万円程度のコストがかかってしまうものです。つまり、「そのうち値上がりするかも…」などと売却を遅らせれば、それだけ無駄なお金を支払い続けなければいけないのです。遠方に住んでいる場合、業者に管理を委託したとすれば、そこにも10万円以上のお金がかかりますし、5年間保有し続けたとすれば、誰も住んでいない家のために、100万円を優に超すお金が出て行ってしまう訳です。ちなみに、その間に自然災害などで修理が必要になれば、別途メンテナンス費がかかってしまいます。

不動産は資産とも考えられますが、使いもしない空き家は莫大なお金がかかる『負債』だという側面もあるのです。なお、長年放置された空き家は、自治体に「特定空き家」と位置付けられてしまい、固定資産税が最大6倍まで跳ね上がってしまうリスクもあります。

関連記事:日本の空き家問題が深刻化!そもそも空き家は所有者にもさまざまなリスクが存在します!

理由② 誰も住んでいない家は急速に傷んでしまう

家は、人が住んでいる方がさまざまな部分を使用することから、「劣化が早い」と考えてしまうものです。しかし、人が住んでいない空き家の方が一気に傷みやすくなってしまうのです。例えば、定期的な掃除や片付け、通風などを行っていない空き家は、本当に急速に劣化が進み、建物の価値がどんどん減ってしまいます。

空き家の劣化スピードが速くなってしまうのは、定期的な換気が行われないことで、湿気がこもりやすくなってしまうことや、ホコリが溜まってしまうことで、害虫や害獣の被害が出やすくなるからです。また、湿気の高さでカビやサビなどが発生し、建物のいたるところを劣化させてしまうものなのです。
不動産の売却を考えた場合、建物が劣化しているほど売却しづらくなってしまい、最悪の場合、自分で解体費を支払ってからでないと買い手がつかない…なんてことになるのです。つまり、そのようなことにならないよう、売れる段階で速やかに高く売るのが不動産売却のコツだと言えるのです。

理由③ 被災リスクの不安がなくなる

日本に住む限りは、地震や台風などの自然災害リスクが常について回ります。甚大な被害が出てしまうような大きな地震も多いですし、最近では夏場の集中豪雨による水害なども毎年のように発生しています。

誰も住んでいない空き家を保有している方は、こういった自然災害の被災リスクを常に抱えている状態といえます。万一、自然災害によって空き家に被害が生じた場合、売却がより困難になってしまうことでしょう。さらに、放置して劣化した空き家が災害で倒壊し、近隣住宅に被害を生じさせた…などとなると、損害賠償を請求されてしまうリスクまであるのです。
こういった無駄なリスクを抱えておかないためにも、使わない空き家は速やかに売却するのがオススメです。

理由④ 近隣に迷惑をかけてしまう危険があるから

上でも簡単に触れていますが、空き家の放置は、所有者だけでなく、近隣住民の悩みの種となってしまう危険もあるのです。

例えば、建物の劣化が進行してしまい、強風などで屋根材が落下して下と通っていた人に怪我をさせてしまう…なんてリスクがありますね。他にも、害獣の住処になってしまい、糞尿で悪臭問題を引き起こしたり、不法投棄や放火などの犯罪の危険も考えられます。過去には、放置空き家内で、大麻草が栽培されていた…なんて事件もあるなど、さまざまな問題を引き起こしかねないのが放置空き家なのです。

空き家の取り扱いに困ってしまっていた場合でも、その管理を放置してしまうと、上記のような周辺環境まで破壊してしまう問題を引き起こしてしまう場合があります。そして、そういった場合、迷惑をかけた相手から損害賠償請求をされてしまうリスクが存在します。このようなリスクをなくすには、速やかに空き家の売却に着手するのがオススメです。

理由⑤ 早く売った方が得かもしれないから

空き家を相続した場合などは、放置せずに早く売却することで、税制優遇を受けられる可能性があります。家を売却する際には、2つの『3,000万円特別控除』というものが存在します。簡単に言うと、家を売って3,000万円の売却益が出たとしても、その税金はゼロにできるというものです。

不動産売却時の節税対策としては非常に有名な手法なのですが、この優遇措置はどちらもタイムリミットが存在するのです。前者は「住まなくなってから3年後の12月31日まで」で、後者は「相続開始から3年後の12月31日まで」となっており、簡単に言うと空き家になってから3年以内に売ることが条件な訳です。ちなみに、その他にもさまざまな条件が付きますのでその辺りは別の機会にご紹介します。

このポイントに関しては、速やかに売却することで得られるメリットになりますので、「活用するか分からない…」「住む予定は今のところない…」などというのであれば、すぐに売却に着手するのがオススメです。

関連記事:不動産の売却を検討しているなら「3000万円特別控除」の基礎知識はおさえておきましょう!

まとめ

今回は、相続などで不動産を手に入れたものの、自分たちで住む予定もなく『空き家』になる場合、その不動産を速やかに売却したほうが良い理由についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、誰も住まない、有効活用もしないなどという不動産については、資産なのではなく『負債』だと考えておいた方が良いですよ。実際に、固定資産税や維持管理のために多額のコストが毎年かかってしまいますし、お金をかけていてもその価値は年々下がっていってしまうものなのです。

個人での不動産投資が増えている現在では、家を相続した場合には「貸しだして不労所得が得られないかな?」と考えてしまうものですが、賃貸経営はそんなに単純なものではないと考えた方が良いですよ。今後日本国内では、どんどん空き家が増加していくと予想されていますし、誰もが空き家の取り扱いに困ってしまう可能性があると考えておきましょう。
空き家を手に入れた場合、明確な目的がないのであれば、速やかに売却するのが良いということを頭に入れておきましょう!