家の売却ってどれぐらいの時間がかかるの?なかなか売れない…と悩む人に共通するポイントも紹介!

コロナ禍の現在では、中古住宅の需要が高まっていると言われており、2021年に入ってからは、中古戸建て住宅の販売価格(昨対比)は右肩上がりで上昇しているというデータが出ています。実際に、首都圏などでは、「まだ中古戸建ての価格は上がるのではないか?」「今売るのは損かも…」という意識が働き、売り渋り状態になってきており、中古戸建て住宅不足のような状態になってきていると言われています。

これは、テレワークが広く普及したことで、マンションなどでは部屋数の問題から、落ち着いて仕事が出来るスペースがない…、日中家にいると近隣からの音に悩まされてしまう…などと言った問題から、戸建て住宅への住み替えを検討する方が急増しているからだと言われています。コロナ問題は、さまざまな業界で財布のひもを締めていると言われているのですが、住宅業界で考えてみると、新型コロナウイルスが後押ししているような不思議な状況になっているそうです。

それでは、「近々、マイホームの売却を考えている…」などという方は、もう少し値上がりするのを待つのが正しい選択なのでしょうか?実は、家を売りに出しても「なかなか売れない…」と悩んでしまう方の多くは、「もっと高く売れるかも…」と言った心理から売り時を間違ってしまう方が多いので、一概に『待ち』の姿勢が正解とは言えないのが実情です。
そこでこの記事では、仲介による家の売却で、一般的にどの程度の期間がかかってしまうのか、また「家が売れない…」と悩んでしまう方に多い共通ポイントをご紹介していきます。

家が売れるまでにどれくらいの時間がかかる?

それではまず、仲介によって家の売却を進める際、一般的にどれぐらいの時間がかかってしまうものなのかをご紹介していきましょう。弊社のような不動産買取業者であれば、査定価格にお客様が納得すれば、最短2~3日程度で家の現金化までが完了します。こう聞くと、『仲介』による不動産売却に関しても、そこまでの時間はかからないのでは…と考えてしまう方が多いのではないでしょうか?

ここではまず、大手不動産検索サイトが行ったアンケート調査のデータをご紹介しておきます。このアンケートでは、仲介を依頼して、買主との売買契約が完了するまでにかかった期間のデータをまとめています。不動産買取であれば、長くても1カ月程度と言われる家の売却期間ですが、仲介の場合は、以下のような感じです。

  • 1位「6ヶ月以上~9ヶ月未満」・・・19.7%
  • 2位「3ヶ月以上~6ヶ月未満」・・・18.5%
  • 3位「3ヶ月未満」・・・16.7%
  • 4位「1年以上~2年未満」・・・16.4%
  • 5位「9ヶ月以上~1年未満」・・・13.6%

なお、上記の結果は、あくまでも「売却できた」人の売却活動期間であり、2年以上かけても売却できていない…という方も存在します。

上記のデータから分かるように、仲介による売却は、半年以上かかっている方が約半数で、最短の3カ月未満で売却できた方は2割にも満たない…という結果になっています。これは、家の購入希望者が、「自分たちの理想」の家を追いかけているという理由が大きいと考えてしまうかもしれませんが、実は、売主側の「売却価格にこだわってしまう…」「内覧対応が悪かった…」などということが原因になっている場合も多いです。

そもそも、家に求める機能は、ご家庭によって異なりますので、売主側がどれだけ自分の家に価値を感じていたとしても、購入希望者もそこに価値を感じるとは限らないのです。もちろん、大切なマイホームの売却ですので、納得のいく金額で売却したいと思うのは当たり前ですが、そこに拘り過ぎてしまうと、いつまでたっても家が売れず、築年数が経過することでどんどん家の価値が下がってしまう…なんて結果になりかねないのです。
そこで、以下で家の売却に時間がかかってしまう方に共通するいくつかの特徴をご紹介していきます。

特徴① 買い手のモチベーションを下げてしまう…

まず一つ目の特徴は、売主側の態度や行動によって、買い手が「この家はやめておこう…」という気持ちになってしまうというパターンです。仲介による家の売却は、「販売活動は不動産会社が行ってくれるもの」と考えてしまう方が多いです。確かに、ネット上に広告を出したり、チラシを配布したり、最終的な契約書面の締結などは不動産会社が主導してくれます。しかし、購入希望者の最後の後押しをする内覧などの対応は、売主も努力が必要なのです。その家の魅力や近隣の住みやすさなどに関しては、不動産会社よりも実際に住んでいた人の方が理解しているはずです。

それなのに。以下のような対応をしていては買い手のモチベーションを下げてしまう結果につながりかねません。

NG例① 内覧準備を怠っている

これは、住みながら家の売却を進める場合にありがちです。要は、その家でまだ生活しているということから、「家を売る」ということよりも自分たちの生活を優先してしまっているパターンです。
例えば、今までと同じような日常生活を進めていて、内覧に来たのに家中がものであふれている…、タバコやペットのニオイが染みついている…、部屋の埃や水回りの汚れがそのまま…なんて状態であれば、その家に好印象を持つはずがありませんよね。それどころか、「大切に住んでいなさそうで、いろいろと劣化していそう…」と悪印象まで与えてしまい、「こんな家は買えない…」となってしまう訳です。

家の売却を検討した場合、まだそこで生活を進めている場合でも「家を売却する」ということを優先しなければならないと考えてください。例えば、すぐに使用しない季節ものの荷物はレンタル倉庫などを借りて荷物を減らす、住み替え時にもっていかないものは処分しておく、生活感が見えないぐらいまで家中を清掃し、内覧当日は換気をして臭いを無くすなどの対応は絶対に必要です。
「どこまでの準備が必要なのか?」がわからなければ、不動産会社の担当者にアドバイスをもらい、必要であればハウスクリーニング業者など、プロの手をかりると良いでしょう。

■ここがポイント

  • 家をすっきり見せるため不用品は整理:すぐに使用しないもの、もう不要なものは内覧前に処分しましょう。また、家が売れるまでは、整理整頓を心がけて生活してください。
  • 家中の汚れを落とす:内覧時は細かな部分までピカピカに磨いておくのが吉です。水回りのカビや黒ずみなどは素人にはなかなかキレイにできませんし、プロにお願いするのもオススメです。中には家の消臭を行ってくれるような業者もあるので、ペットを飼っている、タバコを吸うという方は消臭も検討しましょう。
  • 内覧当日の準備を:内覧時は家を「明るく・広く・すっきり」見せるのがポイントです。当日は家中の電気をつけておく、家具の配置を検討するなどの対策も行いましょう。

NG例② 接客態度の問題

これは意外に多いので注意しましょう。内覧希望者がせっかく見学に来てくれたのに、家の住人は挨拶はおざなり…、案内は営業担当者に任せて自分たちは、好き勝手な行動をしている…なんてのはNGです。特に小さなお子様やペットがいるご家庭の場合、子供が興奮して騒いで見学どころではない…、ペットが買い手を威嚇する…などとなってしまうと、見学どころではなく「こんな家には住みたくない…」という印象しか与えません。正直、家がどれだけ良い状態でも、そこに住む人の印象が悪ければ、家の印象も悪くなってしまうと考えてください。

家の売却活動の最終段階である内覧は、家の見学だけではなく、そこにどんな方が住んでいたのか…も見られていると考えてください。挨拶もまともにできない、服装もテキトーなんて感じで、出迎え時のマナーさえできていない状態では、「家の扱いも悪かったのだろうな…」と無駄に悪い印象だけを与えてしまうでしょう。
買い手は、営業担当者にもいろいろな質問をしますが、その家の住み心地や周辺環境などに関しては売主から直接聞きたいはずです。したがって、あらかじめどういった質問がされるものなのかを営業担当などから聞いておき、的確にこたえられるように情報を準備しておくのがオススメです。なお、お子様やペットに関しては、ご近所さんなどに預かってもらい、大人だけで落ち着いて対応できるようにするのがオススメです。

■内覧時に聞かれることが多い質問は?

  • 家の設備や間取りで気に入っている部分。また、その逆に不便と感じていた部分
  • 家の日当たりや風通しについて
  • 周辺の騒音に関する問題
  • 近隣の保育園や学校など、教育に関する情報
  • 交通利便性に関して
  • 転出時に残しておく物があるか?(エアコンなどの設備)
  • 近隣住民との関係性

特徴② 家の価格などの問題

次は、売主の売却希望額などが買い手のニーズに合っていない…という問題です。当然ですが、売主からすれば「できるだけ高く売りたい」と思うものですが、買主は「できるだけ安く買いたい」と考える物で、この部分は相反するニーズが存在するのです。
もちろん、家にも市場相場というものがあるのですが、それでも家の状態などによって「そこまでの価格はつけられない…」というような状況もあります。ここで、価格にばかりこだわって、なかなか家が売れない…となってしまう方は非常に多いです。

NG例① とにかく『高く売る』に拘り過ぎる

不動産売却時の失敗例でもよくあげられるNG例です。例えば、不動産売却を考えて、複数社に査定してもらった結果、最も高額な査定を出してくれた会社に仲介を依頼するというパターンです。「高く売りたい」と考えた場合、あながち間違った選択でもない…と考えてしまいますが、その査定額が適正相場価格よりも高く、「仲介の依頼をしてもらうだけ」のためにつけられた根拠のない金額の場合もあるのです。そのため、査定額の高さだけで仲介を選んだ場合、買い手のニーズと価格がかけ離れていることから、内覧希望すらゼロで、数か月後に「値下げしないと売れないですね!」などと言われる羽目になるわけです。

まず第一に、価格だけで仲介を依頼する会社を選ぶのはやめましょう。査定をしてもらう時には、自宅と同条件の家がどの程度で販売されているのかも調べておき、査定額が適正なのかを見極める必要があります。また、売りに出して内覧希望すらない…という状態であれば、ほぼ確実に相場よりも高い値段で市場に出していると考えられます。こういった場合、媒介契約をした会社に、その販売価格にした根拠を示してもらい、おかしいと感じるなら価格の見直しをすると良いでしょう。不動産会社はどこと契約しても、安心して任せられるというわけではないので、仲介を依頼する業者選びの目を持つことも大切です。

■ここがポイント
家の売却は、最初の査定額通りに売却できない場合も多いです。例えば、家を売りに出して、内覧希望はあるものの成約しない…なんて場合、立地や家の状態などの問題で「相場通りだけど、価格に家が釣り合っていない…」と考えられます。したがって、この場合は販売価格を少し下げれば売却自体はスムーズに進むと思います。内覧すらこない…なんて場合、相場とかけ離れた価格付けを行っている可能性があります。正直な話、このような状態になるような不動産会社は、信用できませんし、仲介を依頼する会社を変えた方が良いと思います。

NG例② 売却活動の出遅れ

不動産売却を考えて、査定をきちんとしてもらったものの、査定後にあれこれ考えて、必要以上に時間が経過してしまった…なんて場合、その間に不動産の需給の変化、物件自体の条件変化が起こり、買い手のニーズと価格が合わなくなってしまう…なんてことも考えられます。例えば、冒頭でご紹介したように「コロナ禍の中古住宅需要の高まり」を聞いて、「もう少し待ってみようと」販売活動を寝かせて、いざ売りに出してみると、需要がある程度収まっていた…なんてパターンですね。この場合、需要が高い時に査定した価格をもと売りに出せば、需要が下がって中古戸建ての相場が下がってしまっていたら、ニーズに合わない高すぎる家…になってしまう訳です。

不動産の価格というものは、意外に簡単に動くもので、好調だったものがいきなり買い控えが起こる…なんてことも珍しくありません。不動産会社が行う査定に関しては、「直近で売れた周辺の販売価格」をもとに出しており、その価格は「売りに出してから3カ月程度で売れると思われる価格」で算出するものです。したがって、それ以上の時間をかけて悩んでいた…という場合、現状の相場価格とはズレてしまっているなんてことも考えられるわけです。
さらに、数ケ月時間が経てば物件自体の条件も変わってしまう可能性すらありますよね。例えば、日当たりが良い戸建だったのに、半年後売りに出そうと思った時には、隣に高層マンションが建つことが決まって物件の価値が落ちてしまっていた…なんてこともあるのです。
不動産売却は、需給の変化による価格変動も大きいですし、物件自体の状況が変わることも珍しくありません。したがって、「将来的にもっと高くなるかも…」と考えるよりは、売りたいと思った時が一番の売り時と考えた方が良いですよ。どちらにせよ、家の価値は時間の経過とともに下がってしまうものですので、1年売らなかっただけでもかなりの値下がりが考えられます。

まとめ

今回は、仲介による家の売却がどれくらいの時間がかかるのか、また「なかなか家が売れない…」となってしまう場合の、売主側のNG行動についてご紹介してきました。この記事を読んでいただいているということは、マイホームの売却が頭の片隅にある…なんて方が多いと思うのですが、家の売却は「売りに出せばすぐに買い手が見つかる」と言った簡単なものだとは考えない方が良いですよ。特に現在は、コロナ禍の住み替え需要の高まりから、中古戸建て住宅の価格が上昇しているという情報もあり、今のうちに売った方が良いのか、はたまたもう少し待ってから売った方が得なのか…という点に迷っている方が多いと思います。

はっきり言っておきますが、家の売却は「売ろう」と思った時が売り時です。もちろん、少し待てば値上がりする可能性もなくはないのですが、逆に値下がりするリスクもかなり高いと言えるのです。さらに、自然災害が非常に多い国である日本では、いつどこで地震や台風、洪水などが発生するか分かりませんし、被災してしまうと、売る事すらできなくなってしまう恐れがあるのです。「できるだけ高く売りたい」と考えるのは誰もが同じですが、家の売却は「できるだけ早く売る」ということも非常に大切なポイントです。

なお、仲介による家の売却は、一般消費者のニーズによって価値が決まりますので、なかなか売れない…希望通りの価格にならない…なんてことも多いです。したがって、「早く高く売りたい」と考えるのであれば、不動産買取を利用するのもオススメです。不動産買取は、不動産会社に家を直接買い取ってもらう手法で、市場価格よりも少し安い値段になると言われています。ただし、売却後の売主責任が発生しない、仲介手数料が必要ないなどコスト的なメリットは意外に大きいのです。さらに、不動産会社は、買い取った家をその時代で最も高値で売れるようにカスタムしてから再販することを考えています。したがって、あなたの家が買い手のニーズに合っているのかなど関係なく、周辺相場に近い価格で買取りしてくれるわけです。つまり、細かなニーズに価格を左右されることなく、誰でもある程度納得できる価格で売却できるうえ、すぐに現金化できるという、仲介では考えられないメリットが得られるのです!