家を売るタイミングの見極め!家を売るべきタイミングと待った方が良いタイミングの見極め方法について
現在住んでいるマイホームの売却を検討している方であれば、誰もができるだけ高く売りたいと考えるものですので「どのタイミングで売却するのがベストなのか?」ということに迷ってしまうことでしょう。多くの場合、「家を売ろう!」と考えたタイミングがベストなタイミングだ…などと言われているのですが、それは本当の事なのか…と疑問に思ってしまうことも多いことでしょう。
そこでこの記事では、皆さんが「家を売ろうかな…」と検討した場合に、可能な限り高値で売却するために、おさえておきたいタイミングの見極め方についてご紹介していきたいと思います。家の売却は、「それなりに高値で売れた!」と思っていても、後から「もっと高く売れたのではないか…」など、何も考えずに売ってしまうと損した気分になってしまうという方が多いです。そこで、現在、家の売却を検討中の方や、「ゆくゆくは住み替えたい…」などとお考えの方に向け、あらかじめ家を売るベストタイミングを見計らうため、確認しておきたいポイントをご紹介していきます。
家の売買は、大きなお金が動く取り引きになりますので、タイミングが少しずれただけで、かなりの金額差が生じてしまい、知識を持っていれば避けられたはずの損を被ってしまう可能性があるのです。ここでは、将来あなたが家を売る時、損せずに家を売るため知っておきたい「売るタイミングを見極める」ポイントをご紹介します。
「相場」から見極める家を売るタイミング
まずは、不動産の『相場』から家を売却するタイミングを見極めるというものです。国土交通省などでは、不動産の取引価格情報をもとに『不動産価格指数』を定期的に発表しています。これを見れば、不動産価格の動向を把握することができますので、自分の家の売却タイミングを見極めるのに役立ちます。
不動産価格の最新動向をご紹介
それでは、国土交通省が公表した最新の不動産価格指数をご紹介しておきましょう。
引用:国土交通省資料より
上のグラフは、2020年8月分の不動産価格指数を表しています。
このグラフでは、2010年を平均の100として、各不動産価格指数の動向をグラフにしたものです。これによると、「マンション(緑線)」については、2013年春以降、現在に至るまで右肩上がりで指数が高くなっています。「住宅総合(赤線)」についても、このマンションのデータに引っ張られ、緩やかにですが右肩上がりの状況になっているのがわかります。ただし、「戸建住宅(青線)」に関してだけを見ると、2010年以降、現在に至るまで100前後を推移しており、ほぼ横ばい状況が続いていると言えます。
相場から売却タイミングを見極める
それでは、上述した不動産相場から、家を売る際のタイミングを見極めるには、どういったセオリーがあるのでしょうか?一般的に、不動産相場から考える売却タイミングは以下がセオリーとなっています。
- 相場が右肩下がり⇒早く売った方が良い
- 相場が右肩上がり⇒しばらく待って、遅く売った方が良い
- 相場が横ばい⇒いつ売っても良い
不動産相場が『右肩下がり…』で価格が下落を続けている場合、さらに売却価格が下がってしまうことになりかねませんし、できるだけ早く売った方が良いでしょう。逆に、『右肩上がり』で価格が上昇し続けているのであれば、すぐに売ってしまうと、その後「もっと高く売れたのに…」と後悔に繋がってしまう可能性があります。したがって、さらに値上がりするかを少し見極めてから売却するのが良いでしょう。
注意が必要なのは、長年『右肩上がり』で価格が推移しているものの、その状態がいつまで続くのかは分からないということです。当然、その状況が今後も永遠に続くという訳が無いため、どこかで売却に踏み切る必要があるでしょう。その逆に、相場が下がり続けていたものの、何らかの理由で上昇に転じることもありますので、その辺りの見極めはなかなか難しいものです。
家の相場などに関しては、国土交通省などが定期的に資料にまとめて公表します。しかし、リアルタイムで自分で調べることもできますので、小まめにチェックしておくのがオススメです。「面倒だな…」と考えるのであれば、家の売却を検討し始めたタイミングに、不動産会社などに相談し、その時点での相場の動きを教えてもらうのも良いでしょう。
「築年数」から見極める家を売るタイミング
家の売却タイミングを見極めるには、『築年数』についても注目しなければいけません。家は、そこに存在するだけで、徐々に劣化していってしまうものですので、「いつ売ろうかな…」と迷っているあいだに、どんどん家の価値が下落していっているのです。つまり、不動産の相場が上昇しているからと、何年も売却を待っていると、家そのものが劣化して、逆に売却額が安くなってしまう…なんて可能性もあるのです。
築年数の経過による資産価値の変化について
引用:国土交通省資料より
上のグラフは、国土交通省が公表したデータで、築年数の経過による家の資産価値の変化を表したものとなります。この資料によると、家は築年数が経過するとともにその資産価値が下落していき、なんと戸建て住宅に至っては、築20年でその価値が「ほぼゼロ」にまで下落するとされているのです。さらに戸建て住宅は、マンションなどと比較すると、築15年を迎えるまでに、急速にその価値が下落するという特徴を持っています。
家を売却するタイミングを検討した場合、このような資産価値の変化については絶対におさえておかなければいけません。
マンションや築15年以内の戸建ては早く売った方が良い
築年数を中心に家を売るタイミングを検討する場合、「マンションや築15年以内の戸建ては早く売った方が良い」というのが答えになるでしょう。
特に戸建住宅の場合、築15年までに急激にその資産価値が下落するという特徴があることから、売却が1年遅れただけでも、売却価格に大きな差が生じてしまうことになります。参考として、3500万円で建てた注文住宅を売却すると考えて、資産価値が約70%の築5年で売却する場合と、資産価値が約60%まで下落する築7年目で売却した場合を計算してみましょう。
- 築5年で売却⇒3500万円×資産価値70%=2450万円
- 築7年で売却⇒3500万円×資産価値60%=2100万円
実際に売却する際は、他にもさまざまな要素が関わってきますが、築年数による資産価値だけで考えた場合、売却タイミングは2年違うだけで、350万円もの損をしてしまうのです。これからも分かるように、急激にその資産価値が下落してしまう築15年目までは、「できるだけ早く売却する!」ということを心がけた方が良いと考えましょう。
なお、築20年を過ぎると、資産価値がほぼ横ばいになる事から、いつ売ってもそこまで売却価格に違いはないと思います。
「税金」の事も考えるべき
家を売却するタイミングは、「税金」の事も頭に入れておかなければ損をしてしまう危険があります。
所得税や住民税について
家を売却した場合には、譲渡所得に応じて所得税と住民税が課せられます。譲渡所得は、他に記事でもご紹介していますが、家の売却で得たお金から、売却や取得にかかった諸費用を引いた金額の事を指しています。要は、家を売ったことで得られた利益の事ですね。
そしてこの譲渡所得にかかる税率に関しては、家の所有期間が5年を超えるか(長期譲渡所得)・5年以下(短期譲渡所得)かによって大きく異なりるので注意が必要です。それぞれの税率は以下のようになります。
- 長期譲渡所得:所得税(15%)+住民税(5%)
- 短期譲渡所得:所得税(30%)+住民税(9%)
※実際には、上記に復興特別所得税が加算されます。
家の所有期間に関しては、売却した年の1月1日時点でその家の所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」、5年以下の場合は「短期譲渡所得」となります。
そして、5年以下で売却した場合には、所得税と住民税がおよそ倍になってしまう訳です。ただし、マイホームを売却する場合には、3,000万円の特別控除制度が利用できます。それにより、譲渡所得がゼロになる場合は、所得税も住民税も課税されませんので、「5年たってから売るべき!」と一概に言えないのが現実です。
なお、家の売却時には、その他にもさまざまな控除制度が存在しています。したがって、どの制度を利用するのが自分にとって一番得なのかをしっかりと調べておくこともとても重要だと覚えておきましょう。家の売却時に利用できる控除制度については、別記事でご紹介していますので、ぜひそちらもご参照ください。
関連記事:不動産の売却を検討しているなら「3000万円特別控除」の基礎知識はおさえておきましょう!
一般的に「家を売るべきでない!」といわれるタイミングについて
ここまでは、家を売るタイミングを見極めるためのいくつかの指標をご紹介してきました。ちなみに、それぞれを別々に考えるのではなく、全てを総合的な視点で見ておかなければならないため、「家を売るタイミングの見極めは難しい…」といわれるのです。
ちなみに、「家を売るべきタイミング」があるように、「今は売るべきではないタイミング」というものもありますので、そちらもきちんと見極められるようにしておきましょう。以下で、代表的な「売るべきではないタイミング」をご紹介しておきます。
①不動産の相場が上昇中または今後相場が上昇すると予想されている時
まずは、「不動産の相場が上昇中または今後相場が上昇すると予想されている時」です。
上述したように、不動産の価格が上昇している途中で家を売却してしまった場合、後から「もっと高く売れたのに…」といった後悔に繋がってしまいます。当然、価格が上昇しきってから売却した時との差額は損してしまったと感じますよね。
したがって、不動産の価格が上昇中の時で、今後も上昇が続くと予想されている場合は、しっかりと相場を注視して売却タイミングを見極めましょう。この辺りは、不動産会社など、不動産相場に詳しいプロにアドバイスをもらいながら見極めるのがオススメです。
②税制優遇が『ギリギリ』適用できない時期
次は、「税制優遇がギリギリ適用されない時期」です。
もちろん、家の売却タイミングを税金を中心に考えるのはかなり難しいのも事実だと思います。しかし、「あと3ケ月待てば〇〇の特例が適用できる!」というような、ギリギリのタイミングであれば、調整することは難しくないですよね。
容易に調整することができ、特例を使うことで大きなメリットがあるのであれば、使わないと損ですので、それまで売却を待った方が良いと思います。ちなみに、こういった特例に関しては、知識として持っておかなければ、売却後に知って大きな後悔を抱えてしまう…なんてことになりかねません。家の売却を考えた時には、こういった税制優遇などについてもきちんと調べておくのがオススメです。
まとめ
今回は、なかなか見極めることが難しい「家を売るタイミング」についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、不動産の価格は市場価格というものがあり、社会情勢などの影響で大きく変動することがあります。例えば、東京オリンピックの開催が決まった時には、東京都内のマンション価格が高騰するなんてこともありましたし、今後も似たようなことは考えられるでしょう。したがって、そういった市場価格などの事も考えて家の売却タイミングを計らなければいけないのです。
しかし、市場の相場ばかり気にしていたら、自分の家の築年数がどんどん進んで、家そのものの価値が下落してしまう…なんて恐れもあります。家を高く売りたいと考えるのであれば、こういった点を総合的に考えて、タイミングを見極める必要があると考えておきましょう。
正直、一般の方にはなかなか難しいものだと思いますので、不動産会社や弊社のような不動産買取業者に相談して、最適なタイミングを一緒に見極めてもらうようにするのが良いかもしれませんね。